- 著者インタビュー
- 学級経営
いつ見ても子どもたちが生き生きと活動しているクラス。そのクラスの担任の先生が“実は”している「習慣」って興味がありませんか? 私は学生の時にキャンプリーダーをしていたのですが、その時のベテランリーダーのAさんがどのようにして子どもたちを惹きつけているのかとても興味がありました。傍で観察したり、質問したりしながら“実は”こういうことをしていたのか、と驚いたものです。
子どもを惹きつけることや、熱中する授業をするための技術や心構えは、その都度意識して行う段階から「習慣」として“実はしていた”という段階になることで学級に圧倒的な安定感が生まれます。ならば、まずは意識して意識して「習慣」として無意識になるまで取り組む。そのための「意識すること」をまとめたのが本書です。
この本は「教師」という仕事そのものをもっと好きになれるように、という願いを込めて書きました。
習慣51の「気づき続ける」ですね。本文にも書きましたが、子どもを褒めなさいとはよく言われますが、「褒める」とは「気づく」ことです。そもそもクラスの中のAさんの頑張りや成長に気づけなければ褒めることはできません。褒め言葉も誰にでもあてはまるような言葉はその子に刺さりません。「(担任である)自分しか言えない言葉」、「自分しか褒められないようなこと」を探して毎日気づき続けたいものです。
私は「意識して」→「記録する」の繰り返しでここまでやってきました。自分がこれを習慣化しよう、と思ったら当然毎日のように意識するのです、がその意識は「行為」にまで落とし込まなければなかなか身に付きません。
意識して実行する。そしてそれを記録するのです。
私は授業日誌として毎年誰に見せるわけでもない日々の記録を書き続けています。そこには、Bさんがこういう発言をした、Cさんがこのようなことをしてくれた、といった、担任しか書けない記録が並んでいます。本書、習慣44の「目を合わせて笑い合う」ということを習慣として意識するなら、「今日はDさんとは笑い合えていないなあ」「今日はとびきりの笑顔を見せてくれたEさん」ということを日々の中で一行でもいいので書いていくのです。
また新しい出会いがあり、新しい子どもたちとの一年が始まります。私も日々失敗だらけです。しかし、どうにかやっていけるのは目の前に子どもたちがいるからです。
教師としての自分の「習慣」を一つ、また一つと増やしていきましょう。
子どもたちが明るくなる習慣、子どもたちが思考する習慣、自分自身が前向きになる習慣…「習慣」を増やしていくことが教師として成長していくことだと私は思っています。
「“今日の失敗もまた良い経験なのだ“という習慣」を身に付けて(笑)、共に頑張っていきましょう。