著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
素敵な「習慣」が学級を変える!
関西学院初等部教諭森川 正樹
2015/3/30 掲載
 今回は森川 正樹先生に、新刊『できる先生が実はやっている 学級づくり77の習慣』について伺いました。

森川 正樹もりかわ まさき

兵庫県生まれ。兵庫教育大学大学院言語系教育分野(国語)修了、学校教育学修士、関西学院初等部教諭。全国大学国語教育学会会員、教師塾「あまから」代表。国語科の「書くことの指導」「言葉の指導」に力を注ぎ、「書きたくてたまらない子」を育てる実践が、朝日新聞「花まる先生」ほか、読売新聞、日本経済新聞、日本教育新聞などで取り上げられる。県内外で「国語科」「学級経営」などの教員研修、校内研修の講師をつとめる。社会教育活動では、「ネイチャーゲーム講座」「昆虫採集講座」などの講師もつとめる。
著書に、『言い方ひとつでここまで変わる教師のすごい!会話術』『あたりまえだけどなかなかできない教師のすごい!仕事術』(以上、東洋館出版社)、『先生ほど素敵な仕事はない?!』『クラス全員が喜んで書く日記指導』『小1〜小6年“書く活動”が10倍になる楽しい作文レシピ100例』『学習密度が濃くなる“スキマ時間”活用レシピ50例』(以上、明治図書)、『どの子も必ず身につく書く力』(学陽書房)他、教育雑誌連載、掲載多数。教師のためのスケジュールブック『TEACHER’S LOG NOTE』(フォーラム・A)のプロデュースをつとめる。
【社会教育活動】「日本シェアリングネイチャー協会」ネイチャーゲームリーダー/「日本キャンプ協会」キャンプディレクター/「日本自然保護協会」自然観察指導員/「CEE」プロジェクトワイルドエデュケーター
【ブログ】森川正樹の“教師の笑顔向上”ブログ

―本書は、森川先生が実際に「習慣」にされていらっしゃることを77個集めていただきました! なぜ、「習慣」が大切なのでしょうか。

 いつ見ても子どもたちが生き生きと活動しているクラス。そのクラスの担任の先生が“実は”している「習慣」って興味がありませんか? 私は学生の時にキャンプリーダーをしていたのですが、その時のベテランリーダーのAさんがどのようにして子どもたちを惹きつけているのかとても興味がありました。傍で観察したり、質問したりしながら“実は”こういうことをしていたのか、と驚いたものです。
 子どもを惹きつけることや、熱中する授業をするための技術や心構えは、その都度意識して行う段階から「習慣」として“実はしていた”という段階になることで学級に圧倒的な安定感が生まれます。ならば、まずは意識して意識して「習慣」として無意識になるまで取り組む。そのための「意識すること」をまとめたのが本書です。
 この本は「教師」という仕事そのものをもっと好きになれるように、という願いを込めて書きました。

―本書の中で、最初に“習慣化”することをおすすめしたいものはなんでしょう?

 習慣51の「気づき続ける」ですね。本文にも書きましたが、子どもを褒めなさいとはよく言われますが、「褒める」とは「気づく」ことです。そもそもクラスの中のAさんの頑張りや成長に気づけなければ褒めることはできません。褒め言葉も誰にでもあてはまるような言葉はその子に刺さりません。「(担任である)自分しか言えない言葉」、「自分しか褒められないようなこと」を探して毎日気づき続けたいものです。

―“習慣化”をするときに、気をつけなければいけないことはありますか?

 私は「意識して」→「記録する」の繰り返しでここまでやってきました。自分がこれを習慣化しよう、と思ったら当然毎日のように意識するのです、がその意識は「行為」にまで落とし込まなければなかなか身に付きません。
 意識して実行する。そしてそれを記録するのです。
 私は授業日誌として毎年誰に見せるわけでもない日々の記録を書き続けています。そこには、Bさんがこういう発言をした、Cさんがこのようなことをしてくれた、といった、担任しか書けない記録が並んでいます。本書、習慣44の「目を合わせて笑い合う」ということを習慣として意識するなら、「今日はDさんとは笑い合えていないなあ」「今日はとびきりの笑顔を見せてくれたEさん」ということを日々の中で一行でもいいので書いていくのです。

―最後に、新年度の学級づくりを目前に控えた読者の先生方に、メッセージをお願いします。

 また新しい出会いがあり、新しい子どもたちとの一年が始まります。私も日々失敗だらけです。しかし、どうにかやっていけるのは目の前に子どもたちがいるからです。
 教師としての自分の「習慣」を一つ、また一つと増やしていきましょう。
 子どもたちが明るくなる習慣、子どもたちが思考する習慣、自分自身が前向きになる習慣…「習慣」を増やしていくことが教師として成長していくことだと私は思っています。
 「“今日の失敗もまた良い経験なのだ“という習慣」を身に付けて(笑)、共に頑張っていきましょう。

(構成:林)
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