- 著者インタビュー
- 外国語・英語
外国語活動の指導法を知るために、全国のいろいろな学会や研究会に参加しました。そこで、よく耳にしたのが「外国語活動を行うと、いつの間にか、クラスが仲良くなった。」とか、「男女関係なく関われるようになり、クラスに一体感が得られるようになった。」などという話でした。私は、小学校で外国語活動を行う意味は、こんなところにあるのではないかと思い、みんなが仲良くなれる英語のコミュニケーションゲームを活用するようになりました。
例えば、英語のじゃんけんゲームを、チョットだけひねって「あいこが勝ち」というルールにします。普通のじゃんけんでは、勝負だけに一喜一憂していた子どもたちが、あいこになろうとして、相手をじっくり見て「次は何を出すだろう?」と友達の様子や行動に思いを馳せるようになります。「相手を思い、相手に合わせる。」じゃんけんの意味が大きく変わってきます。
男女のペア活動がうまくいくためには、前提となる条件があります。
・きちんと向かい合って話ができるか
・お互いに目を見て話ができるか
・内緒話で伝言ゲームができるか
・身体の一部に触れあうような活動ができるか
などです。本書には、それぞれの段階にあったゲームが紹介してありますので、クラスや子どもたちの実態に合わせて工夫をしてみてください。
小学校段階で考えられる「グローバル化」は、
・お隣のお友達と仲良くできるか?
・クラスの仲間と楽しく過ごせるか?
ではないかと思います。ゲームを行うとき、気恥ずかしいからと言って、教室の隅でかたまっているのは「グローバル化」ではルール違反です。例えば、海外のパーティではいろいろな参加者と気軽におしゃべりして楽しく過ごすのがよいマナーです。クラスのお友達と仲良くできない人が、グローバルな社会で、みんなとうまくやっていけるはずはありません。そのようなことを意識しながら、日々の授業でコミュニケーション能力を育てていきたいものです。
小学校の担任の先生は、いろいろな教科を上手に教えるノウハウをたくさん持っています。さらに、一日中子どもたちと一緒に過ごし、彼らの趣味や考え方、性格などを一番よく把握しています。小学校外国語活動を行う上でもっとも大切な、教材研究、児童理解のバックグラウンドは十分なのです。そこにちょっとした指導のコツや手法を身につければ、外国語活動は間違いなくうまくいきます。温かい雰囲気のクラス、やさしい言葉のあふれるクラスを作るために、外国語活動の授業に本書のゲームを様々にアレンジしてご活用ください。