- 著者インタビュー
- 音楽
音楽を聴いたり表現したりするための基礎的な力が無理なく楽しく身に付く効果があります。短い時間でできる楽しい活動を積み上げることが、「継続は力なり」を実現します。また、先生やお友達とコミュニケーションをとるアクティビティですので、笑顔あふれる中で、コミュニケーション能力の向上が望めます。本書は「音を聴く」「体を動かす」「歌ったり演奏したりする」「音楽をつくる」「音楽を聴く」のキーワードでまとめてあります。どこからでも使えますのでご活用ください。
授業者の先生の工夫で、いつでもどこでも!?です。授業の始まりに行うことで、先に述べた効果に加えて、心身がゆったりとリラックスしたり、ワクワクした気持ちになったりし、音楽の授業に円滑に入ることができます。また、紹介した活動を発展させて、長めの学習にすることもできます。ゲームのように楽しく短い時間で行えるアクティビティですので、音楽の授業以外でも、児童の気持ちを切り替えたい時に行って、学習効果を高める使い方もできます。
●低学年「23 おみせやさん」
「夏休みの楽しかったことをタンタンタンウンのリズムを叩きながら言う」などアレンジしてみましょう。「プール(うん)」「すいかわり(うん)」「なつまつり(うん)」などで。
●中学年「42 1分間ミュージック」
「夏休みに聴いた素敵な音を思い出し、1人3回、声で模倣する」などアレンジしてみましょう。蝉や鳥、遊園地、スポーツの音?
●高学年「28 リクエストソング」「29 輪唱やパートナーソングを楽しもう」
既習曲を生かして取り組んでみましょう。特に6年生はあと半年余りの小学校生活を一緒に過ごす仲間と声を合わせることは大切ですね。
夏休み前時点での成果と課題及び2学期の指導計画をふまえ、授業者の先生がいろいろ工夫なさってみてください。本書にヒントがたくさんあります。
汗をかいた体育の授業の後なら、目を閉じて03、04、10、40などを聴き、クールダウン。真剣に話し合った道徳の時間の後なら、20、29、33、36など、明確なビート感のある曲で気分を変える。そのような心身の切り替えに活用できます。クラシックのスタンダードナンバーから抽出しました。
一方で、すべての曲には音楽科の指導内容として大切な要素が詰まっています。繰り返されるリズム、特徴的な音色、印象的な旋律、曲の形式、など分かりやすい事項に注目して確かめることにより、鑑賞の授業にも活用してください。
知らないうちに基礎力が身に付く「魔法」のアクティビティには、執筆者の先生方が実践の中から体得された、音楽指導の知恵が凝縮されています。まずは1つ、2つ、3つと実施してみてください。初めは指示を通すのに少し時間がかかるかもしれませんが、先生も児童も慣れて、きびきびとできるようになるに伴い、魔法が実感されるはずです。不思議の連鎖で、学級経営にもよい影響が生まれることを期待し、願っています!