著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
迷わずやってみたくなる国語ネタ、満載!
島根県安来市立島田小学校教諭広山 隆行
2015/6/25 掲載
 今回は広山隆行先生に、新刊『今日から使える!いつでも使える! 小学校国語授業のネタ100』について伺いました。

広山 隆行ひろやま たかゆき

島根県安来市立島田小学校教諭。
1972年島根県生まれ。道徳や国語の教材開発を通して、心と言葉の教育に問題意識をもち授業実践に取り組む。
【著書】
『子どもが変わる局面指導T・U』『「局面指導」が学級を変える』(日本標準)

―本書には、授業の中の短い時間でできるネタやアイデアがたくさん収録されています。このような短時間の活動を授業の中に取り入れるコツを教えてください。

 「いいなぁ」と思ったネタは迷わずやってみることですね。
 例えば、子どもたちの表情から「今日はちょっと元気がないなぁ…」と感じられるとき、授業の最初にちょっとだけ行うことなどがおすすめです。
 あとは、説明文や物語文などの長い単元が終わったとき、一回完結型の短いネタを入れるのも有効だと思います。教科書教材に軽重をつけて指導することによって、子どもも教師も楽しめる、とっておきのネタをプラスアルファで取り入れてみてはどうでしょうか。

―本書では、「身近な道具の説明書づくり」「MY漢字づくり」など、日常生活に密着したネタが少なくありません。こういったネタの基になる素材を、広山先生はどのように収集されているのでしょうか。

 日常生活の中で「これ、授業で使えるかな…」といつも考えています。職業病のようなものですね(笑) 
 例えば、テレビや雑誌などを見ているとき、「子どもにこのお話紹介したいな」と思ったら、必ず子どもに考えさせる(例えば、「この後、どうなると思う?」「どっちだと思う?」などと問いかける)場面を思い浮かべます。また、テレビのバラエティ番組・クイズ番組などから「これ、使えるかも!」とヒントをもらうことはよくあります。

―本書では、国語の授業時間外に行うことを想定したネタもいくつか紹介されています。このような「授業外の小ネタ」をあえて取り上げたのはなぜでしょうか。

 国語の学習は、国語の授業時間だけで完結するものではないと考えています。国語の授業で学んだことは授業時間外の日常生活などで活用してこそ意味があります。ですから、短歌を学習したら日記の代わりに短歌を書かせたり、ハガキの書き方を学習したら実際に暑中見舞いを書かせたりするわけです。
 逆に、日記や他教科のテストの解答を国語の授業の素材として使うことで、子どもたちの学習に対する意欲や学ぶ必然性を高めることもできると思います。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 この本には、私がこれまでの国語の授業で扱ってきたネタのすべてを書かせていただきました。どれも子どもたちと一緒に楽しめたネタや学力定着につながったネタばかりです。
 また、説明文や物語文のネタには、その教材文の授業で一番重要だと思う「発問」「指示」を示しました。これらは、読者の先生方の単元計画づくりの手がかりになるのではないかと思っています。
 それから、どうすれば国語の授業が上手になっていくのかという上達論も、私の経験に基づいて書きました。私自身、国語が苦手な学生であり教師だったので、同じように国語の授業に苦手意識をもつ先生方が、国語の授業を好きになる1つのきっかけになれば幸いです。

(構成:矢口)
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