- 著者インタビュー
- 学級経営
私は、ソーシャルスキルトレーニングや、大学生や他の方々を対象にした研修などでグループワークをよく実施しています。その中で楽しめてなおかつ効果があったような活動を取り上げてみました。学級運営に関しては、学校現場にいる先生方がプロだと思っていますが、臨床心理士として学校現場をたくさん見ている中で、学校現場に役に立って子どもも楽しいと思えるような内容を意識して紹介したのが本書の特色です。
学校現場で働いておられる先生方は、日々、生徒一人一人に真剣に向き合いながら努力されています。また、授業以外の業務も多岐にわたり、日々あっという間に過ぎ去ってしまいます。そんな先生方に対して、いろんなことを1人で抱え過ぎず、私のような専門家をうまく利用してもらえたらと思いますし、お伝えしたことを先生なりにアレンジしてもらえたらうれしいです。
読書の秋なので、「ゆっくり読書」などいかがでしょうか。1日、1行でも3行でも1ページでもいいから、文章の意味を味わいながらいっしょに読んであげてほしいです。1つの文章、1つの単語をじっくり子どもと確認していきながら読んでみると、子どもは、何気ない言葉を、実は勘違いしていたり、困っていたりすることがよく分かります。子どもの好きな本を大人とゆっくり読むことは、普段の授業ではできない体験なので、ぜひ、試してもらいたいです。
まず、発達障がいや、そういう傾向がある子どもかどうかを感覚的に理解できるようになるまでに時間がかかります。そのために、先生にとってはささいなことでも、気がつけば子どもとの関係がこじれていることがあるので、よく子どもの様子を観察してみてください。 特に曖昧な表現や、たくさんの指示を言葉だけで指示したときどうなのかを気にしてください。授業や行事などの予定を組むときに、その子どもの顔が浮かんできて、先生の中で起こりそうな問題を予測でき、それに対してどうしていけばいいのか? 時には、他の先生と話してみるのもよいので、考えて試してみることが大事だと思います。
日々の学校での活動お疲れ様です。私は、そういう日々努力されている先生に対して、何か教えるという立場にあるとは思っていません。子どもに関わる専門家同士であると思っています。だから、私が形にしてきたものが、少しでもアイデアのかけらになってもらえたらと思います。もし、私のアイデアのかけらが、何か先生方にお役に立てたのなら、その結果から、また新しいアイデアを提供できる。そんな関係になれたらと思っています。子どもと関わるということは、種を蒔くことに似ています。今、したことがすぐに効果がでるか分かりませんが、関わっている子どもの未来が少しでも、豊かなものにできるお手伝いをいっしょにしていきましょう。