- 著者インタビュー
- 国語
「汎用」とは、辞書的には、「一つの活動、単元で学んだ能力(知識・技能)が、他の活動や単元、教科等にも広く有効に働くこと」を意味します。自ら知識・技能を駆使しながら、主体的・協働的に課題を解決するアクティブ・ラーニングにおいては、この汎用的能力とともに各教科等の基礎・基本となる能力を統合的に育成する必要があります。これらには、学習過程を自覚し、その遂行を可能とする学習力、読解力・記述力・要約力等の言語活動を行う言語能力、映像活用力、ICT、学習習慣等多岐にわたる内容が含まれます。
現在の教科書は、アクティブ・ラーニングに直接対応するようにはできていません。そこでワークシートを活用しますが、これらは単元に密着したものになりがちです。そこで、年間を通して、しかも各教科等に役立つような学習材が必要になるのです。しかし、教師が与えるからやるというのでは受け身になってしまいます。アクティブ・ラーニングですので、自ら活用していくような、時間がかからず簡潔で役立つようなものであることが重要になります。それが本書のサポートワークです。
国語科をはじめ、各教科等の授業の始めに短時間で活動したり、授業で活動する内容に必要な能力を育成したり、復習したりするために活用します。読解力を向上させる、記述力を高めるといった目的で教材を選択し、プリントにして配布することもできます。さらには、朝の学習や放課後等、学校内で授業以外の短時間に定期的に使用します。あるいは、家庭学習として順次プリントを配布し、学習した内容を翌日または後日評価をし、フィードバックするなどが考えられるでしょう。
もともと、自主的に学習する教材が少ないことや、楽しく取り組めるドリルが少ないことから、ワークシートの開発が始まりました。子どもが楽しんで「ワクワク」しながら「ワーク」すると、アイデアやイマジネーション(想像力)が高まりわいてくるようにと願って編集に着手しました。だから、なるべく楽しくしようと、言語体験型、知識発見型、知識中心型など多彩に作成しています。
アクティブ・ラーニング時代になり、カリキュラムにおいても、授業においても大きく変わろうとしています。そのような時代を生き抜く質問力、発表力、説明力、解説力、プレゼンテーション力、討論力、司会力、記述力、紹介力、感想力、解釈力、考察力、要約力、引用力、報告力、理由説明力、精読力、思考力等を育成するためには、日常と授業を関連付け、橋渡しをする教材が不可欠なものとなるでしょう。アクティブ・ラーニングを支える汎用的な能力であるこれらのために本書を活用し、変革にcommitできるように備えてくださることを願っております。