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先生たちは、日々、教科の指導と、教科外における生活指導に取り組んでいます。本書では、その延長線上で指導できる、運動部活動の在り方についてまとめました。つまり、日頃の教育活動で発揮している教師の専門性を、運動部活動でも活かすということです。
まずは、先ほどの回答にある、教師の専門性を基盤にした指導が重要。そこからは「体罰」という発想は出てきませんからね。次に、子どもが自分たちで問題・課題を解決していく、「自治」のイメージをもつ必要があるでしょう。そもそもスポーツやクラブという言葉の意味には、「自治」のニュアンスが含まれていますからね。
各教科では、授業で教える教育内容があります。一般的に、それを学習内容って言いますね。それがあることで、教師は授業の計画を立て、見通しを持って指導することができます。本書では、運動部活動も、同様の視点から考えてみようと思いました。つまり、運動部活動にも教育内容があり、本書ではそれを「自治内容」と呼びました。そして、1.練習・試合、2.組織・集団、3.場・環境の観点から整理し、それらを少しずつ子どもに委ねていく見通しを示しました。
運動部活動を運営していくうえで、様々な課題に遭遇すると思います。その際に、全部を教師が解決しなければならないとは思わずに、「これは誰が解決することか?」と冷静に考えてみましょう。そして、子どもが解決できそうなことは、積極的に委ねていくのです。次に、その過程をメモに残しておきましょう。1.どのような課題が生じ、2.それを誰が解決したのかを記しておくのです。そして、しばらくしたら、子どもと一緒にその過程を振り返り、教師が解決してきた「自治内容」を、子ども自身が取り組めないかを議論しましょう。このように、子どもと一緒に運営していくというスタンスが重要です。
教師には、できる事とできない事があります。できる事は、教師としての専門性が発揮できる内容です。運動部活動に関して言えば、本書で述べているような内容です。できない事は、オリンピック選手などのエリート選手の養成です。それは教師の本務からは外れます。この当たり前の現実から、これからの運動部活動の在り方を考えていきましょう!