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先生方は、子どもたちに「友達には優しくしなさい」「思いやりをもちなさい」と指導をされているのではないでしょうか。そうでしたら、教師自身がまず、保護者や子どもに「思いやり」を示せたら、と思うのです。
「大切なお子様もお預かりしている」という意識を、今一度再認識し、子どもたちや保護者の気持ちを考え、「思いやり」をもって教育活動を行っていきたいと思います。
3年目で、5年を担任したときのことです。学校で清掃活動があり、軍手を持参することになっていました。「軍手などどの家にもあるだろう」と思っていた私は、必要となる1日前に連絡帳でお知らせをしました。
当日、朝、ある保護者の方から電話が。「1日前に言われても、軍手はすぐに用意できない。簡単なものでも、ある家とない家がある」と、かなりお怒りの口調でした。そのときは、ピンときませんでした。正直、「子どもが自分で用意をすればよいのに…」とまで思っていました。
後日、懇談でそのご家庭の大変さを伺い、自分の教師としてのおごりを実感しました。準備物は、少なくとも半月前には連絡することを肝に銘じました。
岡山で14年教師をしていました。そして、今、大阪で2年目を迎えます。合計16年目です。
いろいろ実践をしたり、学んだりしてきて、現在実感するのは「教育はすべて、思いやり」ということです。教師は、今の自分に満足してしまうと、教師力だけでなく、「優しさ」や「思いやり」の気持ちまでも失っていきます。「自分はまだまだ修行中の身」そう思うことが極意と言うか、当たり前のことであると思っています。
私は、毎日、放課後、自分の授業の反省を1時間ずつ一言で、そして、子どもたち一人ひとりの記録も一言で、教務必携と名簿に残しています。「1日をきちんと振り返る」ことも極意かなと思います。
すべての項目がおススメなのですが、あえて選ぶとすれば、第1章のラスト3つの項目がおススメです。各学期ごとのポイントを書いています。各学期には、教師が意識しないといけないポイントが必ずあるからです。
それらをもとにして、先生方が工夫をされて、オリジナルの実践をしてくだされば幸いです。
若いうちは、いろいろな実践をして、失敗して、がむしゃらに進むべきです。そして、週に1回でも立ち止まり、自分のしてきたことが、子どもたちや保護者、先生方にどう映っていたかを考える時間が必要です。「時間がない」と仰る先生もいらっしゃいますが、そのような時間はがんばってつくりましょう!
また、子どもたちが教室に居場所を求めるように、教師も職員室に居場所を求める必要があります(これは、我々ミドルリーダーの役割でもあります)。積極的に、職員室でお話しましょう。基本は、絶対に勤務校の職員室です。
職員室で、この本を話題にしてくだされば幸いです(笑)