- 著者インタビュー
朝の会・帰りの会は、集団づくりにとって「黄金の時間」です。どんなに日程が慌ただしくても、どんなに授業時数が不足しそうになりそうでも、ほとんど毎日、実施されます。
そして、朝の会は家庭の子どもが学校の児童生徒に変わり、帰りの会は児童生徒が子どもに返る時間です。ちょっとした仕掛けで、学校生活の始まりと終わりを明るくあたたかな雰囲気でサンドイッチのように包み込むことができるまたとない時間なのです。
本書でつくろうとしている雰囲気は、次の5つです。
- 安心の雰囲気
- かかわろうとする雰囲気
- ルールやマナーを守る雰囲気
- あたたかな結びつきをつくる雰囲気
- 自分たちで問題を解決する雰囲気
この5つは、学級が成長していくときにつくられる雰囲気ですので、学級の発達段階のもつ雰囲気ともいえます。
つまり、これらの雰囲気をつくることで学級をより機能的にレベルアップしていくことができます。
ただ、マニュアルをなぞるようにして実施すれば学級が変わる訳ではありません。そこには教師の見取りとそれに基づく継続的な働きかけが必要です。実施する度に、評価のポイントで活動がうまくいったかどうか振り返ってみてください。そして、次の手を打ってみてください。また、朝の会や帰りの会で子どもたちが得た気付きを日常化するようにしてみてください。朝の会や帰りの会での雰囲気が持続し、拡散して学級を成長させることでしょう。
ALは、言うまでもなく主体的で能動的な学びの在り方です。主体性は学びの目的を自覚し、自ら学習に向き合うことを、そして、能動性は積極的な他者へのかかわりを意味します。もうこれを読んだだけで、学級集団づくりの必要性が伝わってきませんか。ALは、意欲的な集団だからこそ可能な学習です。つまり、これからの学級集団づくりには、子どもたちの学校生活への意欲を高めることが必須条件となります。その為には、教師は、子どもたちの意欲を高めるリーダーシップを学ばなくてはなりません。
学級集団のもつ雰囲気と子どもたちの意欲には高い相関があります。つまり、集団によい雰囲気をつくることができる教師が、子どもたちの意欲を高めることができるのです。本書を使ってAL時代の学級集団づくりにチャレンジしてみてください。成果は必ず子どもたちがその姿で見せてくれます。みなさんの学級が、常によい雰囲気と共にあらんことを…。