
- 著者インタビュー
- 学級経営
これら各学年の本は、初めて学級を担任する先生をイメージして作りました。だから、この本を実践してもらえば、基本となる「学級づくり」はきちんとできるのです。第1章は私が書き、第2章からは私の学級経営をよく理解し、第一線で実践している先生たちが書いています。各学年とも基本になる「原理・原則」は変わりません。ただ、学年によって当然、指導法は変わってきます。目の前の子供たちが違っているからです。それは読み比べて見られるとよく分かるはずです。
初めて学級担任をする先生が、必ずと言っていいほどつまずくことがあります。それをきちんとこの本の中で指摘しています。そして、その手立てを詳しく書いています。
1つのつまずきは、「仲良し友達先生」になろうとすること。ほとんどの新卒先生が、ここでつまずきます。「教師であること」の態度づくりが間違っているのです。だから、4月までの準備として必要なことは、子供たちの前で「教師」として振る舞えるイメージ、心構えをもつということです。
1か月が勝負です。必死になってください。ここで1年の80%が決まります。学級を「安心・安全で居心地がよいところ」にしなければいけません。「教師」としてのリーダーシップを発揮して、縦糸・横糸をバランスよく張ることです。ここに今までの人生の全てを賭けるぐらいの気持ちで突入してください。
この本の中にも紹介していますが、保護者が新卒教師に抱く「不安・心配」があります。それにきちんと応えていければ、保護者との信頼関係はうまくいくのです。それは、「教師」として子供たちにきちんと対応してくれるのかということ、そして、「我が子」に対してちゃんと対応してくれるのかということ。それに尽きます。
今回の本は、対象は新卒教師向けに書いています。しかし、私たちは、実は多くの先生たちへ向けても書いているのです。
今のこの困難な現場で、呆然と立ち尽くしている先生たちに「まだまだやっていく道筋はありますよ」というメッセージを送っています。今の自分の実践と見比べていただきたい。そんな願いを込めています。だから、ぜひとも新しい学年担任が決まったら、自分の学年の本を読んでいただきたいのです。
