- 著者インタビュー
- 授業全般
「習慣」とは意識せずともしていることです。私たち教師にとって授業で気を付けたいことはたくさんあります。そこで意識的にそれを見つめ、やがては「習慣化」してしまおうというわけです。例えば10の「習慣」を身にまとった先生と、30の「習慣」を身にまとった先生では教師の基礎体力が違います。それは子どもへの咄嗟の言葉がけや指導に如実に表れます。そのような咄嗟の場面でものをいうのがその先生の身にまとっている「習慣」の数なのです。
やはり習慣1の「子どもを大事にする」ですかね。少し付け足すなら「目の前の子どもを大事にする」です。どれだけやりたいことがあっても目の前の子ども抜きには始まりません。「子どもを大事にする」というのは意識しだすととても力量のいることなのです。教材研究の段階で、「このクラスにあっているか」「この子にあっているか」ということを見極めていく必要があります。それが授業の段階になれば「これは全体に問い返そう」「この子の意見を理解しているか微妙だから、もう一度別の子に同じことを言わせよう」といったその場その場の対応が必要になってきます。これらの根底にあるのは「子どもを大事にする」という意識なのです。
本書で取り上げた「習慣」は、主に教科を越えて教師の基礎体力をつけるためのものが多いです。子どもの反応はクラスによって様々です。よって対処もそれなりに千差万別です。しかしその千差万別な対応をするために、教師としてのベーシックな「習慣」が必要になるのです。様々な習慣が身についたら、その先にそれぞれの教科の教材研究がまっています。教科の本質がまっています。それらにワクワクして取り組むためにも、「習慣」を身につけた教師のカラダを手に入れておくのです。
教師の仕事は良くも悪くも4月が来れば一度リセットされます。それは「悩み」もリセットされる、ということです。心機一転毎年4月に私たちは生まれ変われるのです。
授業の「習慣」を身につけたら、子どもとのやり取りが楽しくなります。
授業の「習慣」を身につけたら、子どもの反応が楽しみになります。
授業の「習慣」を身につけたら、どっぷりと教科の研究に没頭できます。
授業の「習慣」を身につけたら、一日が本当に楽しくなるのです。
なぜなら教師の一日のほとんどは「授業」でできているのですから。
教師の生活を楽しく、充実したものにするためには「授業」を強く意識することです。些細なことから意識し続けていくのです。私もなかなか授業が上手くいきません。反省ばかりです。
でも、楽しい。
でも、楽しく。
スタートに年齢は関係ありません。経験も関係ありません。私の尊敬する先生方は皆、教師経験、勤務年数に関係なく常に“一学び手”として輝いておられます。
明日の「教師像」を思い描くのは自分です。意識できる小さなことから始めて、「習慣」をいくつも身にまとった素敵な先生になりたいですね。