著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教室に一冊常備すれば、クラスがかしこく知的になる!
岩手県公立小学校副校長佐藤 正寿
2016/3/18 掲載
 今回は佐藤正寿先生に、新刊『朝の会・帰りの会&授業でそのまま使える!子どもたちに伝えたいお話75選』について伺いました。

佐藤 正寿さとう まさとし

1962年秋田県生まれ。1985年から岩手県公立小学校に勤務。現在は,岩手県公立小学校副校長。「地域と日本のよさを伝える授業」をメインテーマに,社会科を中心とした教材開発・授業づくりに取り組んでいる。主な著書に、『スペシャリスト直伝! 社会科授業成功の極意』『これだけははずせない! 小学校社会科単元別「キー発問」アイディア』『実務が必ずうまくいく 副校長・教頭の仕事術 55の心得』(以上、明治図書)等。

―子どもたちに“伝えたい”お話、という書名には、どんな思いが込められているのでしょうか。

 先人が、どのようにして伝統と文化をつくり、発展させてきたかを知ることは、子どもたちの教育にとって大切なことです。日本には、昔からある伝統行事、豊かな文化、誇るべき技術等、多くのよさがあります。私たち教師がそれらを子どもたちに伝えているでしょうか? その問題意識からこの本書は生まれました。中には、「伝えたくても自分自身がよくわからない」という方もいるかもしれません。そのような先生にこそ読んでいただきたい本です。
 

―“朝の会・帰りの会&授業で…”とありますが、具体的な活用の方法を教えていただけますか?

 一つの項目について見開き2ページでまとめました。それらは、2〜3分程度で子どもたちに読み聞かせできるものです。朝の会や帰りの会はもちろん、関連する授業や給食時間等で短時間に話すことが可能です。決して多くの時間を割く必要はありません。ちょっとした時間に活用していただければと思います。また、学級通信等に「ちょっとしたエピソード」として、この本の内容を紹介することもできます。

―いずれのお話も、教室でぜひ読んで聞かせてほしいおススメばかりをセレクトいただいたとは思うのですが、とりわけ、先生のイチオシのお話を少しだけご紹介いただけますと嬉しいです!

 「お供えでお月見を楽しむ」ですね。毎年、このお話はお月見の日にしています。子どもたちも、その日の行事ですから興味をもって聞きます。「初めて知ったよ」という反応をもらうと、話した甲斐がありますね。いつだったか、学級通信にその話を掲載したときには、時の同僚に「こういうお話を教室で話すのは大切なことですね。私も知らないことがありました」と感想をいただきました。その後、その同僚にとっても毎年伝える話になったようです。

―こうしたお話をたくさん持っていることは、学級担任の先生にとっては「武器」になると思います。佐藤先生は、お話のストックを豊富にお持ちと伺いました。どうやって見つけていらっしゃるのですか?

 今は情報量があふれる時代ですから、その気になればネタは簡単に見つけることができるでしょう。たとえば「年中行事」というキーワードで検索サイトに入力すれば、解説サイトがいくつも出てきます。ただ、「子どもたちに伝える」という点を重視するのなら、いくつかの要素がそのお話の中になければいけないと思います。たとえば、「子どもたちにとって身近であること」「『ヘーッ』と思わず子どもたちがつぶやくようなエピソードがあること」「興味が広がりそうであること」といったことです。その観点で見ていくことで、価値あるお話になっていくと思います。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いします!

 30代の頃から「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」を大切にしてきました。それと共に、授業以外でもそれができないかと考えてきました。その一つの答えが、子どもたちに伝えたい小話を作り、それを教室で話すことでした。子どもたちは興味を示し、家庭でも話題になることもありました。ぜひ教室に一冊常備して、ご活用くださればと思います。

※写真撮影:平井良信(Kaya)

(構成:林)

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