- 著者インタビュー
- 国語
「学んだことを喜んで書き残すネタ」では中学年の「街中のものからじっくり発見作文」、「分析を楽しむネタ」では高学年の「コマーシャルの言葉分析作文」、「創造・挑戦して書くことを楽しむネタ」では低学年の「○○の○○作文」です。どの作文ワークに挑戦させた時も、子ども達が次々と作文にしたい新しいネタを考えて、作文ブームを巻き起こすきっかけとなったものです。
4つの仕掛けは「1 何度でも使用可能な作文ネタ」「2 気軽に使える作文ワーク」「3 手本になる作文例」「4 作文を書かせる時の様子をイメージしやすい作文指導のポイント」です。そして大仕掛けは「徹底的に褒める声かけ(コメント)とおしいの一言」です。これらの仕掛けは、「作文なんてきらーい!」と言っていた子ども達が、少しずつ「作文を書くって、意外に面白い!」と言い始めた頃に取り組んでいたものをまとめたものです。
書かせる場は「学年」「作文ネタ」によって違います。低学年や中学年の場合は、授業中に書かせることが多いです。5分でも10分でも全員で書いて読み合う、そんな場面を多くつくっています。友達の作文が、作文を書く意欲につながることが多いからです。高学年の場合は作文を書くポイントだけ話して、家で書かせることが多いです。もちろん、書いてきた作文を紹介し合う場を「授業中・朝学・夕学・掲示物」などに用意しています。
Q1で紹介した高学年の「コマーシャルの言葉分析作文」。これにはまった子がいます。テレビを見るのが大好きな子でした。この作文ネタを紹介した途端、テレビを見る時には必ずメモ帳を用意しておいて、コマーシャルが流れると全て記録。その記録をもとに、コマーシャル分析作文を書き続けました。書いてきた作文に「ここをもう少し分析するともっと面白いよ」と言うと、さらにはまってしまい「コマーシャル分析作文ノート」を作って毎日書くようになりました。
ぜひ1年間、本書に紹介している「全ての作文ネタ」を子ども達に試し続けてみてほしいのです。初めは「作文書くの嫌いなのに」と言っていた子ども達が、一人また一人と「先生、その作文のネタで書くことがいっぱいある!」と言ってきます。何十という作文ネタを仕掛けると、必ず子ども達の「書きたい、書いてみたい」という作文心にフィットするものが出てきます。その時、畳み掛けるように大仕掛け「徹底的に褒めることとおしいの一言」を繰り返すことで、作文大好きっ子に変わっていくのを30数年試し続けて実感しています。