- 著者インタビュー
理論編では、なぜ学び合いが必要なのか、その背景を説明しています。準備編ではその背景を理解していただいた上で、学び合いを組織する上で重要なポイントを具体的にまとめています。そして実践編では授業の中で学び合いをどう位置づけるのかを示しました。ご自分の関心のあるところからお読みいただけるようになっています。
学び合いを授業に取り入れる目的は3つあります。1つ目は国語科の指導事項をしっかり身に付けることです。2つ目は学び合う力を付けることです。現代社会では1人で仕事をすることは少なく、協働的に取り組む能力の育成が求められていますが、その力を身に付けることができます。3つ目は主体的に学ぶ態度を付けることです。教師に答えを教えてもらうのではなく、自分たちで学ぼうという態度を育てることができます。
ペア・グループ学習では子どもをコントロールすることは困難です。ですので、教師は子どもを信じて子どもが学び合いたくなるようなしかけを作っていくことが重要です。例えば、子どもが夢中になるような言語活動、子どもが学び合いやすくなるような思考可視化ツール、学び合いが効果的になる人数や構成などを工夫していくことが重要です。
まず、ご自分の担当している学年の事例を読んでいただきたいと思います。そこで示されている事例はどれも必ずできる授業です。事例をそのまま授業をするのではなく、ご自分の授業の中に本書で示した学び合いのアイデアを少しずつ取り入れて実践してください。
大切なのは子どもを信じることです。子どもたちは本来学び合いたいと思っています。その意欲を引き出せば学び合いは自然と成立するようになります。教師から知識を授けるだけの授業ではなく、子どもが主体的に学び合う授業をつくっていただきたいと強く願っています。