- 著者インタビュー
これはどんな職業にも言えることだと思うのですが、収入がいいからとか労働環境がいいからとか、そんな甘い考え方ではこの世の中通用しないと思うのです。きっと長くは続きません。ではどんな思いが大切かと言えば、これはお客さんの幸せを願うことです。教師で言えば子どもや保護者の幸福ですね。そのためには教師としての力量を高めなければならない。そのためにならお金には糸目はつけないくらいの投資意識が大切です。その投資意識を持てる人が「情熱的」と換言してもいいと思います。
投資額は1200万円を優に超えているかと思います。特に教職10年目までに1000万円は使いました。私は大雑把で、面倒くさがり屋で、最も教師に向いていない人間やという自覚が今でもあります。だから早くまともな授業ができる教師になりたかった。ネタや指導法を可能な限り集めるために日本全国を行脚しました。要は才能のない人間が教師としての力を高めるために無駄遣いをしてきたとも考えられますが(笑)。
これはある意味「異常」な研鑽法かもしれません。そこまでできなくても、まずは学び合う仲間とサークルをつくり、情報交換をすることが大切だと思います。一人で学ぶより、何倍も力を高めることができます。
イヤイヤ。これね。誤解しないでほしいのですが、配慮を要する子は当然「大目に見ます」し、クラスの様子を見ながら行っていますよ(笑)。
いきなり子どもの様子もわからずにガンガン指導するわけではありません。そんなことをしたら、それこそ学級崩壊しかねません。
その子なりに一生懸命やる、妥協を許さない状況を1年後につくることを目指していのです。
子どもは手抜きの天才です。何も教えなくても自分が楽するための方法は身につけているものです。でも、手抜きを許すとその集団はどんどん「群れ化」していきます。群衆は傍観者の集まりです。授業はシラケた雰囲気になり、いじめられている友達がいても見て見ぬふりがまかり通るようになります。これは一つの目標に向かって成長していくべき学級の姿ではありません。
手抜きは学級を堕落させます。学級経営の上で最も警戒すべきものだと思います。だから手抜きを許してはならないのです。
そうですね。各教科いろいろなアイデアを紹介しましたが、1つあげるなら、社会の導入プランをお薦めします。子どもたちには授業開始の15分間程度をルーティン化してあげると授業モードへスムーズに入っていくことができます。ぜひ、本書をご覧ください。
現場は楽しいだけではありません。辛いこともたくさんありますよね。子どものこと、保護者のこと、同僚のこと…。きっと、ほとんどの先生方が何かしら傷つき打ちのめされるような経験をしてきたことと思います。でも自分が命をかけて就いた教職です。
簡単に潰れてたまるか!と速やかに立ち上がりましょう。できればその立ち上がるプロセスを楽しんでいきたい!その時に必要なものが「情熱」なのです。
もちろん、情熱だけではこの仕事はやっていけません。でも情熱なしに教師の仕事は遂行できないこともまた事実です。
たとえどんな厳しい状況になっても「情熱」さえあれば教師として再起、三起できるのです。さあ、明日から情熱的に目の前の大きな壁に立ち向かっていきましょう!この本がそのための一助となってくれたらこんな嬉しいことはありません。