- 著者インタビュー
- 社会
本書のねらいは、大きく次の3点です。@「アクティブ・ラーニング」を取り入れた中学校社会科授業デザインの基本的な考え方を提案すること、A基本的な考え方に基づいて、地理的・歴史的・公民的分野の「アクティブ・ラーニング」型の代表的な小単元を開発すること、そしてB「アクティブ・ラーニング」を位置づけた評価方法を提案することです。
「アクティブ・ラーニング」とは、直訳すれば、「能動的学習」「積極的学習」「主体的学習」となりますが、社会科独自のものとはなりません。そこで、
@アクティブな市民性を育成する(社会認識を通して市民的資質を育成する)学習であること
A目標の全体性を保証する(知識・理解目標、技能・能力目標、態度目標を統一的に育成する)学習であること
B学習の主体性を保証する(生徒が主体的・協働的な活動を通して学び合う)学習であること
ととらえました。
「アクティブ・ラーニング」を取り入れた社会科授業づくりのポイントは、生徒自身が主体的・協働的に思考・判断する、具体的には、「なぜ、どうして」「どうしたらよいか、どの解決策がより望ましいか」という問いが生まれるような教材・学習材を開発することだと考えます。単元の導入部で教材と出会う中で、そのような学習問題を生徒自身が発見することができれば、学習はアクティブになります。
本書は、2009年3月刊行の『「思考力・判断力・表現力」をつける社会科授業デザイン 中学校編』、2011年10月刊行の『「思考力・判断力・表現力」をつける中学地理授業モデル』『同歴史授業モデル』『同公民授業モデル』に続く中学校社会科シリーズの1冊です。「アクティブ・ラーニング」という視点から、中学生が主権者としてたくましく成長してくれることを願って、新進気鋭の若手教師を中心に授業づくりにチャレンジしました。是非、ご活用いただければ幸いです。