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本書で使用されている英文は、文法事項の練習のために教師が創作した英文ではないということです。中学生がコミュニケーション活動の最中に英語で言えなかった表現を集め、その言えなかった表現を検定教科書の文法配列に整理し直し、4技能の活動をとおして、生徒にフィードバックする試みをしている点です。
Part 1のBingoで語彙をインプットし、Chatで、その語彙を使ってアウトプットし、話す、聞くことのコミュニケーション能力を身に付けることができます。
Part 2のExercise 1では、英文を読んで日本語に訳すことで、文法事項を正確に理解する力を身に付けることができます。また、辞書の使い方も身に付けることができます。
Exercise 2の空所補充では、生徒目線の会話を、日本語を参考に英語でどのように言うのか書いてみる活動です。会話形式になっているので、ペアで会話することで表現力を伸ばすことができます。
Check! の自己評価では学習を振り返る習慣を身に付けます。
「授業の最初の帯学習」として、BingoとChatを行います。自宅学習として、Bingoに単語を書き写すことを習慣にすると授業の開始でBingoを行い、Chatに時間を割くことができます。
Part 2のExercise 2の活動も会話形式となっているので、空欄の答えを確認後、役割を決めて会話練習することで表現語句の定着を図ることができます。
検定教科書は文法事項を軸に作られていますが、コミュニケーション活動では語彙の知識がとても重要です。D.A. Wilkins (1978: 111)*は以下のように述べています。
… while without grammar very little can be conveyed, without vocabulary nothing can be conveyed.
*Wilkins, D.A. 1978. Linguistics in Language Teaching. Edward Arnold
話したり聞いたりするコミュニケーション活動でどのようなことを表現したいのか、そのために教科書を補ってどのような表現を授業で指導することが必要なのか、その方法として本書では、生徒がどのような語彙を必要としているのかコーパス(EasyConc.xlsm)から探り、トリプル活動を取り入れて編集しています。生徒が急に「自分の考えを英語で表現する」ことができるようになるわけではありません。先ず、生徒同士がペアを組み、気軽に英語を使ってChatをしてみる習慣を日々の授業で実践し、積み重ねていくことが前提になります。そのための一つの方法として本書を活用していただければと思います。
本書の執筆では、英語で言いたかったけれど言えなかった表現を集めた日英パラレルコーパスEasyConc.xlsmを使用しました。EasyConc.xlsmはフリーウエアです。自由にダウンロードし使用できます。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/。
ご自身の教材作成に試してみませんか。