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- 著者インタビュー
- 外国語・英語
英語科におけるアクティブ・ラーニングを考えるとき、本書では、次の3つの視点で英語の学びを見直し、改善しようとしています。
- 英語を使いながら定着・発展を目指す、言葉の習得過程を大切にした「学び」の過程が実現できているか。
- 他者との協働により、英語への気づきや理解が深まったり、英語の技能が上達したりするような対話的な「学び」が実現できているか。
- 学習者が英語で何ができるようになるか見通しを持って学習に能動的に取り組み、学習活動を振り返って次につなげる、主体的な「学び」の過程が実現できているか。
これらの視点に立った実践を本書ではアクティブ・ラーニングと考えています。
1章では、とかくアクティブ・ラーニングというキーワードだけが先行し、英語授業におけるアクティブ・ラーニングとはどうしたらよいかがあいまいである現状から脱して、どのような学びを目指すのかを簡潔に述べています。
2章の実践編では、先の3つの視点に立った優れた実践を積まれている先生方の授業を「学習場面」や「技能」の側面からそれぞれの特徴をとらえて具体的に示しました。これらの実践例から、帰納的にアクティブ・ラーニングとは?ということを考えていただけるように、実際のワークシートや生徒の作品・感想等も含めて紹介してあります。
3章の評価編では、学習のねらいに合わせた評価方法の例として、「パフォーマンス評価」「Can-Doリストの形での学習到達目標」「ルーブリックの活用」「ポートフォリオの活用」などについて取り上げてあります。
「自律的学習者を育成し、スピーチにつなげる音読活動」(1年)
「小学校との合同授業の取組み」(1年)
「ピクチャーカードを活用したアクティブ・リスニング」(2年)
「ワード・サーチによるアクティブ・リーディング」(2年)
「教科書を何度も繰り返し活用するラウンド制」(3年)
「既習言語材料・学習内容を活用させるDiscussion」(3年)
など、生徒が能動的に学ぶための実践例を幅広く紹介しています。
教師は、英語の知識や技能を生徒がどのように身につけていくかという学びの過程をいつも考えておく必要があると思います。そして、それぞれの学びの場面を生徒主体の学びの場に変えていくために、どのような工夫が可能なのか常に考えたいと思います。実はこの工夫を思いつくのがとても大変なのですが、同時に楽しみでもあります。
小学校で慣れ親しんだ英語を上手に生かしながら、生徒が「英語でこんなことができるようになった」と実感する場面が多く持てるような授業づくりを先生方と一緒に考えていきたいと思います。
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