- 著者インタビュー
なわとびカードを渡して自得に頼るこれまでの「なわとび」とは違い、「キズナワ」は、仲間との絆(キズナ)のなかで「かかわる、わかる、できる」ことができる「なわとび」です。「絆」は、「ほだ(す)」とも読みます。「絆す」には「自由を束縛する」という意味があり、絆の強まりはよいことばかりではないのかもしれません。しかしながら、「つなぎ止める」という意味もあり、「キズナワ」でつながり合った関係のなかで学んでほしいという私たちの願いが込められています。
一人でとぶ短なわは、技の数が多く、活動はペアや小グループでの教え合い活動が中心になります。逆に大なわは、動きは限られたものになりますが、大人数での活動になり、目標の達成は、集団の大きな達成感を生み出します。また、短なわの複数人跳びや中なわは、必然的に相手とかかわり合う運動で、相手の動きを意識した巧みさが求められます。授業の目標や子どもの実態に合わせて教材を選んでいただき、ご活用ください。
なわ回しがポイントになります。なわが足の下を通過するように回すことです。自己評価の方法として止めを教えます。止められれば、足の下を通過する回し方ができているということになります。また、なわの長さにつまずきの原因があることがあり、適切な長さすることで解決することが多くあります。さらに、目標が達成できた子どもたちには、新たな挑戦につながる目標の提示します。低学年には、数の更新。中学年には、新たな技。高学年には、技を組み合わせて連続させるようにします。
運動会では、集団演技として活用できます。シンクロさせるだけでなく、グループや個人で工夫した演技を入れることも可能です。学習参観でのなわとび発表会は、子どもたちにとって大きな目標となり、取り組みが活性化します。レクリエーションでは、「ドンマイ」を合言葉に、みんなで楽しく、みんなが楽しい時間を過ごすことができます。学年全体で取り組むと、学級の枠を取り払った交流が可能になります。
なわとびは、いつでもどこでも取り組める手軽な運動ですが、奥の深い運動でもあります。教材化されているなわとびのほかにもたくさんのなわとびがあり、たくさんの技があります。それらのなわとびのなかには子どもたちが夢中になるなわとびが必ずあります。簡単すぎず、難しすぎず子どもたちにピッタリのなわとびでなわとび好きな子を増やし、運動好きの子どもを育てていきましょう。