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一般に中学校で行われている「生活記録」の代わりに、毎日終学活でテーマ(お題)を提示して、それについての経験談や考えをB6サイズの紙に書かせるものです。専用ファイルに綴じて提出されたものに、ひとこと返事を書いて次の日の終学活に返します。「生活記録」と違って家に持って帰らないので全員の書いたものが見られるのが一番の特長です。テーマは「お弁当」「コンビニ」「我が家の暑さ対策」など、誰でも書けるようなものにします。
「生徒の気持ちを知ろう!」などと考えてテーマを設定すると失敗します。何気ない生活に対する文章から、自然とその生徒のものの見方や考え方が分かったらおもしろい…というくらいに。お題づくりも連想ゲーム方式で。ときどきは先を見越したテーマで、何週間か後に道徳の導入に使ったりもします。また、力が入りすぎた返事は、書く側のプレッシャーになるので、会話のつもりで。
出し続けるコツは、ダイエットと同じで「公言すること」です。学級開きでも、最初の保護者会でも。「急に重病で倒れる以外、絶対に毎週出します! だから保護者のみなさん、子どもたちが『今週はもらってない』と言っても信じてはいけません。カバンの底に入っています!」と言います。学生時代、通信教育で挫折して「『継続は力なり』ですよ」とお説教された苦い経験をもとに、そうやって自分を縛ることにしました。でないと忙しくて1枚も出せません。
本当は「お題日記」も「学級通信」もなしで、すべての生徒と直接話し、生徒たちの心に残る講話をし、保護者の心がつかめれば一番いいのです。でも、実際そんな時間も技量もない自分としては、なんとか一人一人と毎日「会話」する手だてとしての「お題日記」が必要。そして、それを利用した学級通信で、保護者には、うちのクラスの応援団になってもらっていると思います。
これは、書くこと、読むこと、笑うことが好きな私の特性からたどり着いたひとつの「手段」なので、これを踏み台にして、自分に合ったスタイルを見つけてください。最初から「こんなの無理」「無意味」と思わずに、だまされたと思って1回やってみて改良することが大切。学級づくりに役立たなくても、生徒の書いてくる内容のかわいさ、面白さで、ガチガチに固まった自分の心が柔らかくなること間違いなしです。