- 著者インタビュー
- 学級経営
子どもとの関係づくりの中でも、特にほめ方、叱り方に悩んでいる先生方が多いと感じていたからです。
その上で、子どもたちが教室で安心して過ごすためには、「あるがままを認められている」ということが不可欠ではないかというのが、今の僕の基本的な考えでした。そこで、その点に対しても提案したいと思い、本書のテーマとさせていただきました。
教室を見に来られた先生曰く、僕は「息を吐くように子どもをほめている」そうです。
ただ、子どもたちにしてみると、「よく叱る」先生に映っているかもしれません。回数は多くありませんが、ピンポイントでぐさっと叱る、突きつけるということは時々あるので。
ただ、過去を振り返ると子どもを伸ばそうと思うあまり叱りすぎていたという反省はずっとあります。そういう失敗を若い先生方にはあまりしてほしくないと思い、この本を書かせていただきました。
教師の子どもに対する肯定的とらえ方をつくると言う意味でも、何でもかんでもほめることが大切かなと思います。
ゴールは子どもたちに「これからの社会を生き抜いていく勇気を持ってもらう」ことだと考えているからです。
そういう意味では本書で紹介した「言いがかりをつけるようにほめる」「幻をほめる」というアイデアは、僕自身大好きで、大切にしています。どうぞお試しください。
叱ることに対しては慎重でありたいと思います。
まず、大切なのは「子どもとの関係性が前提にある」ということです。 関係性が不十分なままで叱ることは、メリットがあまりなく、デメリットが多いと感じています。
ですから本書で紹介した「原則を決めて叱る」は、特に大切にしなければならないと、日々自分自身にも言い聞かせています。
僕自身、失敗の多い教師です。年数を重ねた今もやはり「ほめ方」「叱り方」については、本当にこれで良かったのかと思い悩むことも多いです。
ただ、「思い悩まない」のが本当に正しいことではないとも思うのです。正しく、子どもたちのことを思い悩みながら進んでいく先に、子どもたちとその前にいる先生の幸せがあるような気がしています。
この本には若い頃の私自身と同じ轍を踏まないように、少しでも若い先生方の悩みの助けとなるようにと思いながら書きました。
少しでもお役に立てば幸いです。