- 著者インタビュー
授業後に「脳が働きました」といった子どもがいましたが、そのように頭をフル回転させて「ああでもない、こうでもない」とみんなで真剣に考え、つくりあげる一期一会の授業が求められます。これは子ども自身が求める授業でもあります。
わかっているつもりのことを、いったんフラットに戻してあげる発問です。例えば、正直はよいこと、うそは悪いことというけれど、本当のことをいって傷つける正直さと、本当のことをいわず(いえずに)相手を思いやるうそはどちらがいいのでしょうか?という類いの問いかけです。一概にうそだから悪いという一面的な解釈から解放してやることです。
基本は自由に構成させ、書く時間も限定しません。授業中に書きながら考えたり、家に持ち帰って思いついたことを補足したり、調べたことを書き加えたりしながら自分の考えを膨らませていきます。自由度を確保してあげましょう。もちろん、初期段階の基本的な指導は適宜行います。
子どもたちは知りたがっている、考えたがっている、よりよく生きたがっているわけです。ですから、「どういうことだろう…わかった!」「なるほど、ではこれはどのように考えたらいいのだろう?」「なるほど!それはいい。そういうことができる人になりたいな」と思わせてやればよいのです。そうすれば、「先生、今思いついたことがあります」「ちょっと聞いてください」「これについてはどう思いますか?」と授業が終わってもこだわり続け、考え続けます。
子どもたちが、本質に向かって考え、議論するためには、教師自身も考え・議論する必要があるでしょう。子どものため、自分自身のため、日本の教育のため(ちょっと大げさですが…)に、ギアを入れ直してがんばりましょう!