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テストは、その社会的影響力が非常に大きいものです。そのテストを、世界で一番つくる職業は、「教師」です。しかし、私たち教師は「テストの専門家」と胸を張って言い切れるでしょうか。テストの知識をしっかりと学んでから現場に立っている教師など、ほとんど皆無です。教職課程で学ぶこともほとんどないかもしれません。つまり、シロウトなのです。
テストの専門書はいくつかあります。しかし、どれも難解です。そこで、
「見やすい・簡単・使える」
をコンセプトに、現場教員が使えると思うテストを紹介しようと思いました。テストの専門知識をできるだけ簡潔に書き記し、その具体的テスト問題と授業での活動とセットでご紹介させていただきました。
「テストで学力を伸ばす!」という発想は、非常に重要です。ですが、大人も含めて、ほとんどの人はテストが嫌いです。まずはこの常識から攻略しなければいけません。
「テストを好きにする」
ということができれば、きっと新しい授業スタイルが生まれるはずです。「テストだ! がんばるぞ!」という空気が教室の中に生まれると素敵ですよね。そんな空間をつくるためのヒントを本書の中で紹介させていただきました。
アイデア1 テストという言葉を使わない
アイデア2 定期テストの比率を下げる
アイデア3 テストのバラエティ&頻度を増やす
アイデア4 一発勝負のテストをやめる
アイデア5 加点式にして可視化する
アイデア6 予想問題をつくらせる
若い先生方には、アイデア3・4・5から取り組み始めてほしいなと思いますし、ベテランの先生方には、1・2などを参考にしていただければ嬉しいなと思っています。アイデア6の「予想問題をつくらせる」は、授業そのものを変える力のあるアイデアだと考えています。
はっきりと違います。まず、英語嫌いの大人は、「長文を見ただけで嫌気がさした」と必ず言います。中学や高校のときに長文問題をたくさんやらされて、トラウマになっているのでしょう。しかし、英語教師としてはやはり一定量の長文は読めるようになってほしいものです。この2つの矛盾を克服するのが「余白・イラスト・フォントなどを軽視しない」ということです。特に中学校1年生では、「フォント」に気を付ける必要があります。「何でもいいや…」と適当なフォントを使ってしまうと、それだけで英語嫌いになってしまいます。なぜか? その理由は本書でご確認ください。「おすすめのフォント」も紹介しています。
うーん、これは難しい質問ですね…。「私の場合は」という注釈付になりますが、「チャレンジ型のテスト」 と「間違い探し」 ですね。
「チャレンジ型のテスト」とはどういうものなのか、その詳細は本書をお読みいただくとして、子どもから「え!? もう授業終わり!?」という言葉が当たり前のように聞こえるぐらい、授業に集中します。例えば、スピーキングの活動は、チャレンジ型にすると生徒が受け身になりにくいです。主体的に活動を続けていれば、生徒は時間の流れを忘れてしまい、50分があっという間に終わってしまうように感じるのです。
また「間違い探し」は大人気のテストです。テストといっても必ずしも評価に入れる必要はなく、ただの「活動」という位置づけで行うこともできます。間違い探しを授業で行うと、
「個人」→「ペアで確認」→「班で確認」→「全体で共有」→「テスト」→「ペアで採点」
という流れをつくりやすいです。このローテーションの中では、「全体で共有」の部分以外は、教師の出番はほぼありません。まさに「主体的に学ぶ」ということになります。次の時間の冒頭に同じような間違い探しのテストを位置づけておけば、復習にも力が入ることでしょう。
「テスト=生徒が受け身になる」という思いがどこかにあるかもしれません。しかし、それはやり方次第です。生徒が主体的に動くテスト、というものはあり得ます。アクティブ・ラーニングという言葉をよく聞きますが、テストが変わらなければ、本質的な授業改善にはならない、と私は考えています。つまり、
「テストが変われば、授業は変わる」
と考えているということです。
授業は1年間で完結します。たった1回の授業を変えるアイデアも重要ですが、年間を通じてみると「例年と変わらない授業だったな…」という思いを持っている方も多いのではないでしょうか。授業を根本からよくしようと思えば、テストを変えることが一番簡単です。
テストが変われば、授業は変わります。しかし、テストに関しての研究やいろんなアイデアなどは、あまり多くありません。本書はそんな思いから生まれました。身近なところから取り組めるアイデアBOOKです。ぜひお読みいただき、ご活用いただければ幸いです。