著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
低学年の指導で、小学校生活6年間の土台を築こう!
島根県松江市立大庭小学校広山 隆行
2017/8/7 掲載

広山 隆行ひろやま たかゆき

1972年 島根県生まれ
1996年 島根大学教育学部卒業
1998年 島根大学大学院教育学研究科修士課程修了
1998年 島根県公立小学校教諭
2017年 島根県松江市立大庭小学校教諭(現在)

―本書は、既刊『担任になったら必ず身につけたい!小学校高学年困った場面の指導法』に続く2冊目として、小学校低学年の指導法について書かれていますが、低学年指導は他学年と比べてどのような点が特徴なのでしょうか。

 指導する際に「先生とみんな」ではなく、「私とあなた」という1対1でつきあってあげることですね。学級全体に指導している場面でも、一人一人を見つめ、語りかけてあげることが大切です。あとは、優しさと温かさでしょう。指導する場面は多いので厳しさも必要ですが、どんなことがあっても受け止めるだけの心の広さ・度量が求められます。

―低学年の学級担任は苦労する場面も多いと思いますが、低学年担任だからこそ成し遂げられることにはどのようなことがあるでしょうか。

 できることが目に見えて増え、成長を実感できることが魅力です。入学したての1年生は、ひらがな1つ、数字1つ学ぶことで喜んでくれます。学校で学ぶ楽しさや意欲を育ててあげられるのは低学年担任の大切な役割だと思っています。

―本書では62の事例が場面別に紹介されています。これはどのように活用してほしいと思いますか。

 どうぞ困った場面から読んでください。指導する時には、もちろんそのままの言い方で指導してもらってもいいですが、学級の実態に合わせて一番いいと思われる指導法に変えてください。でも、本当は困った場面はない方がいいのです。ですから「予防法」を書いています。困っていなくても、どこかで読んでおいていただけたら幸いです。

―先生が低学年の指導で一番苦労されたことはどのようなことですか。また、それをどのように乗り切りましたか。

 いろんな出来事はありましたが苦労だとは思っていません。ただ低学年はあからさまに本音をぶつけます。「あの子が嫌い!」「勉強やりたくない!」と言ったり、時には暴力に訴えたりする場合もありました。そんな時は根競べです。向こうが参ったと思うまでしつこく指導し続けました。指導が入った時は私もうれしくて抱きしめてあげました。

―最後に、小学校低学年の担任をしている先生方に一言お願い致します。

 低学年の子どもたちは、本来みんなやる気があります。そしてやる気を活かしていくと高学年と同じことだってできます。目の前の子どもの姿をそのまま受けとめて、子どもたちと一緒に学ぶ楽しさや意欲を育てていってほしいと思います。時には、本能のままに動いて困ったことがあるかもしれません。そんな時は本書をぜひご覧ください。

(構成:木山)
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