
- 著者インタビュー
- 特別支援教育
多くの小学校の先生は子どもが中学生になるまでを思い描き日々の実践をされています。多くの中学校の先生は子どもが高校生になるまでを思い描き日々の実践をされています。そのため、子どもの一生涯を思い描いてはいません。それではキャリア教育は出来ません。本書では、義務教育が「本当」に特別支援学級の子どもたちの老後の幸せを決めているという重大な事実を理解して欲しいと願いました。
私は『学び合い』を研究したくて『学び合い』を研究しているのではありません。私は全ての子どもが一生涯幸せであって欲しいと願い、三十年以上研究をしています。『学び合い』は現時点での、その願いの結果です。従って、『学び合い』のことを一言も触れていない本も書いています。
本書は特別支援学級の子どもの幸せを願った本ですが、実は、それに留まりません。実は、特別支援学級ではなく通常学級の子どもこそ危機的であることを、本書の取材の中で知りました。そのことを特別支援学級の子どものデータから読み取って欲しいと願います。
基礎基本編は「義務教育でつけるべき能力とは何か?」を明らかにする本です。おそらく今までの特別支援教育の考え方とは革命的に違うと思います。一言で言えば、学校教育で先生方がご苦労して教えていることの多くは、就職してからはあまり意味がありません。逆に、なにげに教えていることで、子どもは苦労します。おそらくビックリされると思います。
実践編は、それを獲得するには何が必要かを書きました。一言で言えば、子どもの一生涯の幸せを確実にするには、小学校の時代から、一生涯の幸せをイメージしたキャリア教育が必要なのです。
教師は卒業した後の子ども・保護者の声を聞くべきです。子どもたちの就職先の声を聞くべきです。みんな子どもたちの幸せを願っている。でも、教師とのギャップは大きい。その必要性を本書を通して理解して欲しいと願います。
私は、数多くの学術論文を書きました。数多くの本を書きました。
本書の基礎基本編・実践編は、一生涯で初めて泣きながら書いた本です。何故、泣きながら書いたか? それはお読みになれば分かります。
