著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
短時間で計算力がぐんぐんアップする!魔法のワーク
愛知教育大学名誉教授志水 廣
2017/11/9 掲載

志水 廣しみず ひろし

愛知教育大学名誉教授。1952年、神戸市生まれ、大阪教育大学卒業。神戸市の公立小学校に勤務後、兵庫教育大学大学院修了(数学教育専攻)。筑波大学附属小学校教諭、愛知教育大学数学教育講座教授、同大学大学院教育実践研究科教授。各地の小学校で示範授業や指導講演をして活動中。授業力アップわくわくクラブ代表、志水塾代表。

―書名にある「読み上げ計算」とは、どのような計算練習なのでしょうか。簡単に教えてください。

 計算式をランダムに並べた一覧表を見て計算し(視暗算)、その答えを声に出していく方法です。一人で計算することもありますし、二人組みで一方が答えを言って、他方がその答えの確認をして「はい」、または「ちがう」と言います。即時に計算し、即時に確認できる便利な方法です。ワークシートは著者である篠崎富美子先生と共に作成しました。

―本書は問題が1ページ、解答が1ページの見開き構成になっています。1ページ(1単元)の問題はどのくらいの時間でできますか。

 1ページにつき30問から40問ほどの問題が入っています。練習の初めの時期は1分間で10問できる程度ですが、慣れてきますとできる問題数が30問から50問程度まで伸びます。たった1分間の練習で習熟できるというのが特徴です。
 いきなりこのワークシートで読み上げないで、初めは問題を解いてみることから始まります。正確な答えが出るようになったら、そこから読み上げ計算の練習開始です。

―また、実際に授業のどのような場面で活用できますか?

 練習場面@ 習熟する必要がある場合
 練習場面A 授業の導入で基礎的な計算技能をそろえる場合

です。例えば、80÷20のような2桁のわり算の授業で、一桁のわり算を復習してできておくことが大切な場面です。

―「読み上げ計算」は計算練習のアクティブ・ラーニングにつながるとのことですが、どのような効果がありますか。

 読み上げ計算を始めると、少しずつできるようになるので子ども達は計算練習に対して能動的になります。また、二人ペアでの練習によってお互いに答えの確認をしつつ、励まし合うことになります。即ち、協働性が発揮されます。副次効果として集中力もつくことになります。

―最後に、全国の小学校の先生方に一言お願いいたします。

 読み上げ計算による練習は、百マス計算と異なりワークシートの印刷は1回で済みます。練習が終わった時点で答え合わせも終わりなので、短い時間で終えることができます。計算技能を高めますと、その分だけ問題を考える時間に配当できます。子ども達が楽しく二人組みで練習するほほえましい場面を何度も参観してきました。今回、1・2年用3・4年用5・6年用と3冊同時に刊行しています。各学年に30程度のワークシートを用意しました。子どもの実態に合わせて活用してくださることを願っています。

(構成:木山)
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