- 著者インタビュー
2020年の新教育課程の完全実施に向け、2018年度から移行期が始まります。それに伴い、移行教材も作成されました。それらの教材を2018年度からやっていかないと、教科となったときに、未習の分野が出てしまったり、中学1年の英語授業に間に合わなかったりということが起こります。実質的には、2018年度には、本格的な英語授業が始まるといっても過言ではありません。本書のねらいの1つは移行教材への対応です。移行教材で扱われている題材を中心に、授業アイデアを提示したものです。
小学校の先生方がこれから教科としての英語授業、また外国語活動を展開する上で、無理のない突破口は、「授業で使える英語ゲームをたくさん身に付ける」ということです。英語ゲームの中には、そんなに難しくなく、かつ児童の楽しむ姿が見られるものが、多々あります。また、学生時代に、英語が好きでなかったり、苦手意識を持っていたりする先生でも、英語ゲームを実践していく中で、児童が楽しそうに学んでいる姿を見ると、英語授業の楽しさを感じることができるでしょう。そのような英語ゲームも含めて小学校英語で必要と思われるスキルや考え方を紹介しました。
英語を身に付けるためには、語彙の習得が欠かせません。何か活動するにも語彙を知らなくては活動できません。そこで、本書では、題材に関する語彙をイラストとともに載せてあります。まずは、語彙を教師の後に繰り返させたり、ワークシートを切って、カルタにしてみたりしながら、語彙に慣れ親しませましょう。次に大切なのは、ターゲットとなる基本文への慣れ親しみです。繰り返し繰り返し話したり、聞いたりさせるために、インタビューを行ったり、ゲームを行ったりします。これもワークシートがありますので、参考にご活用いただければと思います。
ありきたりですが、やはり「楽しい授業」です。授業を楽しくする工夫を、いつも考えています。では、楽しい授業にするためには、どうしたらいいでしょうか。1つは、授業をリズムテンポよく行っていくことです。テンポよく、どんどん進めていきます。2つ目は、ネタです。基本文となるターゲットセンテンスを、どのように導入したら児童を引き付けることができるかを考え、よりよいネタを探してきます。3つ目は、児童を活動させることです。児童は自分が動いているときは、退屈とは感じません。また、活動は時間を忘れさせ、45分の授業が短く感じます。ぜひ、皆さんで授業を楽しくするコツをつかみ、授業を楽しんでください。
英語の授業は実に楽しいもの、工夫はエンドレスです。とは言え、私は真似ることをすすめます。何もゼロから考えることはないんです。他の実践を真似て、そこからヒントを得てみてください。アイデアはないところからは生まれません。今あるアイデアを少し変え、少し変えていくなかで、自分のオリジナルなものが生まれます。何もないところから考えることはないんです。また、アイデアは私たちも周りにたくさん転がっています。日本には多くの英語研究会やセミナー、学会、研究大会も開催されていますので、足を運び、明日の授業に使える技を追い求めていきましょう。どこかでお会いできましたら、気軽にお声がけ下さい!