- 著者インタビュー
- 幼児教育
本書は、私たちの園で35年間積み上げてきた「ある日(期間)の日常保育」並びに「年間行事」についての“指導案”(2ページ)、約30年間収集してきた保育現場での“天使のひと言&子どもの行動”(1ページ)、そして、よりよいクラス運営(集団づくり)に日々努力している先生方の“保育日誌”(1ページ)を項目毎に4ページにまとめました。興味、関心がある項目からお目通しください。
この「デイリープログラム」は、本園の教育・保育の質を高めたいという一念で作成してきました。各先生たちは折にふれて、本書の各項目にあるようなテーマで作成されている「デイリープログラム」を読み込んで教育・保育にあたります。終了後は、少々の改訂を加え(いわば事後指導案です)次年度につなげていきます。本園で長年務めていただいたたくさんの先生方の後輩へのメッセージであり、特に、経験の浅い先生方でも“一定水準の教育・保育”を展開できることも魅力です。
幼児教育に携わる人々の永遠の課題は、“子どもの心を探る”ことだと思います。ある年のこと、私が先生方に「感動した子どもたちの声と行動」を収集しようではないかと提案しました。これに応えた先生方の熱意と意欲は素晴らしく当初は爆発的に集まり、平成4年から6年間は、毎年一冊の本にしました。今日まで約30年にわたって6000有余、“残すに足る”と信じたものを記録してきました。ささやかな努力が結晶し報われた感じです。
子ども時代は誰にでもあります。そして、このかけがえのない幼児期に、どのような教育を受けたかということはとても大切です。全国津々浦々どこの幼稚園・保育所等も同様だと思いますが、私たちは幼児教育のプロフェッション(専門職)としての「考え方や生き方」を大切にし、常に子どもたちの“心のステージ”に寄り添いながら、様々な工夫をしてきました。本書でその一端をご紹介できたことは望外の喜びです。
わかっているようでわからないのが子どもです。子どもたちの広い心の世界をどのように理解できるのか日々模索しています。私たちはまさにプロフェッションとして、その努力を怠ってはならないと自戒しています。日々の保育、そして、成長のホップ、ステップ、ジャンプにもつながる年間行事を通して、教育・保育の内容や方法を吟味して、一日一日を誠実に過ごさなければならないと思います。本書がそのために少しでもお役に立てれば幸いです。