- 著者インタビュー
- 特別支援教育
オプトメトリスト(optometrist)とは発達障害の視覚の問題を含む様々な視覚の問題についてサポートをする資格です。
日本では公的資格として認められていませんが、オプトメトリストが国家資格となっている国は45か国以上あります。教育制度も構築され、国によっては高い社会的地位が確立されています。とくにアメリカでは100年以上の歴史があり、オプトメトリストが提供するビジョントレーニングも一般的なリハビリテーションや療育として広がりをみせています。
・眼球の動きが不器用で黒板を写すのが苦手
・空間や形を捉える力が弱く、漢字の書き間違いが多い
・視覚的な情報を手や体の動きを連動する力が弱く、書いた文字の形が崩れ、枠からはみ出してしまう
などのつまずきが表れます。
見る力の弱さに対してはビジョントレーニングが有効な場合が あります。子どもたちにビジョントレーニングを実施する場合、発達に合わせた楽しく取り組める内容にすることが必要 です。
本書では、レベルの調整や楽しく取り組むための工夫を盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。また、本書では見る力が弱い子どもへの合理的配慮についても解説しています。
様々なタイプの子どもたちにウォーミングアップ的な活動としてビー玉キャッチがお勧めです。本書ではT〜Wに分けて様々なレベルのビー玉キャッチを紹介しています。目の動きがスムーズにできない子、目と手を上手く連動して動かせない子、体を動かすタイミングがうまく合わせられない子など様々な状態の子どもたちの基礎的な練習になります。
本書に掲載しているQRコードやアドレスからアクセスいただき、インターネット上で指導場面の動画を見ることができます。やり方をすぐに理解いただけると思います。
発達や認知の視点で子どもたちの学力を見てみると、文字や鉛筆の勉強の前に、目や体を動かす活動が必要な子どもたちがいることがわかります。ビジョントレーニングは、「注目して見ること」「見て理解すること」「見て操作すること」を通して、子どもたちの発達を支えます。ぜひ、子どもたちの見る力に注目してビジョントレーニングや合理的配慮を行ってください。見る力が弱い子どもたちの笑顔ややる気を引き出す第一歩です。