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- 学習指導要領・教育課程
『新学習指導要領 社会』はこれまでの社会科の方向転換ではなく、これまで重視してきた不易の事項に未来を生きるために必要な資質・能力を加えたものです。ですから、社会科の授業づくりの基礎・基本を押さえた上で、新学習指導要領の主旨を加味していただくように読んでいただけると幸いです。
新学習指導要領の総則や各教科等に書かれているように「単元などの内容や時間のまとまりを見通しながら」授業設計をすることです。課題把握や解決の見通し、議論や振り返りなどを大切にすること、そのために教材をよく研究し、単元全体を見渡して問いや資料提示、対話的な学習活動などを工夫することが大切です。
新学習指導要領では、「○○に着目して」「○○を捉え」などと、子供の「見方・考え方」すなわち頭の働かせ方をガイドしています。これは教師がそのような働きを導くよう教材を工夫すること、すなわち教材化の視点をもつことです。一方で、それは子供自身が働かせるものなので、教材を子供に届ける資料提示や学習活動の工夫が大切になります。その両者をつなぐものが「問い」になります。問いは教師が一方的に示すものでも子供が思い付きで決めるものでもなく、教師の意図と子供にとっての必然性のバランスが大切です。
今回の改訂では6年生だけでなく、3・4年生から地方公共団体の働きについて学び、5年生では経済面から主権者としての「我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚」を養うことを求めています。それらが6年生の政治学習につながって、主権者としての基礎になっていくものと考えられます。歴史より先に学ぶということよりも、そうした学びを踏まえて、内容の取扱いに示された「国民としての政治への関わり方について多角的に考えて、自分の考えをまとめることができるようにすること」が大切になります。
戦後誕生した社会科が第1ステージだとすれば、今回の改訂における大整理を経た社会科は第2ステージになります。若い先生方、これから社会を研究しようと考えている先生方にとっては、スタートを切る絶好のチャンスです。ぜひ、新しい発想でこれからの社会科の授業を創り出してください。大いに期待しています。