著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
幸せに働くための「働き方改革」、しませんか?
関西学院初等部教諭森川 正樹
2018/4/3 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は森川正樹先生に、新刊『できる先生が実はやっている 働き方を変える77の習慣』について伺いました。

森川 正樹もりかわ まさき

兵庫県生まれ。兵庫教育大学大学院言語系教育分野(国語)修了、学校教育学修士、関西学院初等部教諭。平成32年版学校図書国語教科書編集委員。全国大学国語教育学会会員、教師塾「あまから」代表。国語科の「書くことの指導」「言葉の指導」に力を注ぎ、「書きたくてたまらない子」を育てる実践が、朝日新聞「花まる先生」ほか、読売新聞、日本経済新聞、日本教育新聞などで取り上げられる。県内外で「国語科」「学級経営」などの教員研修、校内研修の講師をつとめる。社会教育活動では、「ネイチャーゲーム講座」「昆虫採集講座」などの講師もつとめる。
【社会教育活動】「日本シェアリングネイチャー協会」ネイチャーゲームリーダー/「日本キャンプ協会」キャンプディレクター/「日本自然保護協会」自然観察指導員/「CEE」プロジェクトワイルドエデュケーター
【ブログ】森川正樹の“教師の笑顔向上”ブログ

―おかげさまで、『77の習慣』シリーズ、第4弾です。こちらは、第3弾の『教師力を鍛える77の習慣』と同様、2012年に刊行した『先生ほど素敵な仕事はない?!―森川の教師ライフ=ウラ・オモテ大公開―』を大幅に加筆・修正いただき、森川先生が現在も続けていらっしゃる習慣+新たに取り入れられた習慣を収録いただきました。「働き方を変える」という書名に込められた願いを教えてください。

 「働き方改革」は今、世間のキーワードです。しかしこの本で取り扱っているのは、教師という仕事を“楽しみ尽くす”“心から充実したものにする”というコンセプトの上での「改革」です。せっかくなりたくてなった「教師」という仕事ですが、心の底から楽しめていない、充実感が無い、雑務に忙殺されている…というのではもったいない。
 そこで、「話す・聞く」「指導力」「授業力」といった教師の日常を変える方法、見方を集めました。
 教師力を向上させ、仕事が楽しくなるために習慣にしたいことをダイレクトに取り上げました。しなくてもよい回り道なら、しなくてもよいのです。
 加えて、教師生活を総合的に充実させる「幸せに働く視点」といった観点を本書全体の最後の章に置くという、欲張りな構成になったと思っています!

―表紙には、「幸せに働くためのマインドとアクション」という言葉が載っています。なぜ、「幸せに働く」ことが大事だとお考えになったのですか?

 まず子どもたちを学校に熱中させるには、教師自身が熱中していなければなりません。
 熱中している教師の背中こそが、子どもの意識改革の最大の指標となるからです。
 「子どもの笑顔」「子どもが学校を楽しいという」「子どもが授業に熱中する」、これらこそが、私たち教師の「幸せ」に直結します。そのための「マインドとアクション」を現場での具体的な経験を通して書きました。
 そして、現場の先生に読んでもらうには、実際のエピソードが不可欠です。綺麗な言葉だけを並べてある本にはしない、というのが「習慣シリーズ」の著者としてのポリシーです。
 今作でも具体的なエピソードを通して述べていますので、教室を思い浮かべながら読んでいただければと思います。

―ちょっと本書の内容からは離れますが、森川先生は学校の公務以外にも、執筆活動・講演・セミナーなど、精力的にご活動されていらっしゃいますね。「幸せに働く」ためには、このあたりもヒントになるのでしょうか?

 子どもたちに「学び」を伝える教師は、同時に最大の「学び手」でなければならないと思います。好きな事に熱中する姿でもいい。それが「授業」だとなおいいですね。
 授業に熱中している教師からは「熱中オーラ」が出ます。授業構成、授業内容…そして、それに最後の魔法をかけるのが「熱中オーラ」なのです。
 “センス”と呼ばれ片付けられてしまっていることは、実はこの辺にあるのではないか、と私は思います。「熱中オーラ」が「センス」を磨く、と私は思うのです。
 本を読む。セミナーに参加する。仲間と教育について語り合う。美術館や博物館に行く…常に自分の身を「学びの多刺激空間」に置いておくことです。
 私はこうして本を書いたり、セミナーの講師をさせていただいたりすることで、常に「教育とは」「授業とは」「子どもとは」という課題に最前線で触れることができます。ありがたいことです。

― 最後に、新年度の学級開き・学級づくりを控える読者の先生方に、エールをお願いいたします!

 日々悩み、苦しみ、発見し、感動し…多くの喜怒哀楽が一度に来る教師という仕事。こんなに魅力的な仕事はありません。
 私も日々悩み、試行錯誤しています。その試行錯誤“そのもの”を楽しめたら…、そう思って本書を書きました。
 仕事を心から楽しめる、幸せに働いている教師が増えれば、子どもたちの表情も明るくなります。そのための連帯の書だと思っています。
 新年度スタートの気持ちを明るくするために、この本でご一緒しませんか?
 そして先生方の見つけられた「習慣」もぜひ教えてください!

(構成:林)

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