著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
新学習指導要領を使いこなし、言語活動をバージョンアップしよう!
京都女子大学教授水戸部 修治
2018/4/5 掲載
  • 著者インタビュー
  • 学習指導要領・教育課程
今回は水戸部修治先生に、新刊『小学校 新学習指導要領 国語の授業づくり』について伺いました。

水戸部 修治みとべ しゅうじ

京都女子大学教授。
小学校教諭、県教育庁指導主事、山形大学地域教育文化学部准教授等を経て、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官、平成29年4月より現職。専門は国語科教育学。平成10・20年版『小学校学習指導要領解説国語編』作成協力者。主な著書に、『平成29年版小学校新学習指導要領の展開 国語編』『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科「伝統的な言語文化」の授業パーフェクトガイド』『単元を貫く言語活動のすべてが分かる! 小学校国語科授業&評価パーフェクトガイド』など多数。

―本書には、小学校国語科の授業改善のために新学習指導要領を使いこなすポイントがたっぷり紹介されています。まずは第1から第5章までの構成について簡単に教えてください。

 第1章では「言葉による見方・考え方」「カリキュラム・マネジメント」などのキーワードについて、授業にどう具体化するのかを取り上げています。第2章では、学習指導要領を生かした授業づくりのポイントを挙げました。そして第3章から第5章は、三領域に示された言語活動例を具体化するポイントと単元展開例を提示しています。

―第3章から第5章には、三領域すべての言語活動例の解説と授業化のポイント、さらに言語活動アイデアや指導のポイントが掲載されているとのことですが、こちらはどのように活用できるでしょうか。

 私はこれまで多くの先生方から指導案検討など、授業づくりの相談をいただいてきました。全学年、三領域にわたる授業づくりを通して、先生方と一緒に様々な指導のポイントを発見することができました。本書はそうした指導のコツを凝縮した一冊になっています。「読むこと」もそうですが、特に「話すこと・聞くこと」「書くこと」には、初めてご紹介するポイントが盛りだくさんです。実はこれに加えて、自分自身が小学校で担任をしていた時に、子供たちの姿から教えてもらった大事な指導のポイントも、数多く書き込んでいます。

―2018年度になり、いよいよ新学習指導要領の移行期間がスタートしました。この時期、学校ではどのようなことに留意して授業づくりや単元構想を進めるとよいでしょうか。

 学習指導要領と日常の授業を結び付ける窓口となるのが言語活動例です。この例示をいかに目の前の子供たちの姿に応じて具体化するかが問われてきます。子供たちにとってチャレンジする価値や楽しさを実感できる、質の高い言語活動を位置付けた単元構想が、いよいよ重要になってきます。

―本書は水戸部先生にとって初の四六判の単著となりましたが、限られた紙面で内容を充実させるために、どのような工夫をされましたか。

 社会生活ではいくらでも長く書けるわけではなく、相手や目的、条件を踏まえて書くことが求められる…このことを自分自身が実感しながら書きました(笑)。日常の授業づくりに生かしていただくために、短時間でも分かりやすく、読み物としても読めるような解説を心掛けています。なお、学習指導要領の趣旨についてより深くご理解いただく際には、『平成29年版 小学校新学習指導要領の展開 国語編』が参考になります。

―最後に読者の先生方へのメッセージをお願いします。

 日常の授業づくりや授業研究会などの研修の際に、是非本書を生かしていただきたいと願っています。これから国語科の指導を頑張ろうと思っておられる先生方や若手の先生にとっては、授業づくりのヒントとなるよう、指導のエキスを選んで書き表しています。また指導主事や研究主任などの立場の先生方には、指導助言の際の手掛かりとしていただければ幸いです。

(構成:木山)
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