- 著者インタビュー
- 学習指導要領・教育課程
第1章では「言葉による見方・考え方」「カリキュラム・マネジメント」などのキーワードについて、授業にどう具体化するのかを取り上げています。第2章では、学習指導要領を生かした授業づくりのポイントを挙げました。そして第3章から第5章は、三領域に示された言語活動例を具体化するポイントと単元展開例を提示しています。
私はこれまで多くの先生方から指導案検討など、授業づくりの相談をいただいてきました。全学年、三領域にわたる授業づくりを通して、先生方と一緒に様々な指導のポイントを発見することができました。本書はそうした指導のコツを凝縮した一冊になっています。「読むこと」もそうですが、特に「話すこと・聞くこと」や「書くこと」には、初めてご紹介するポイントが盛りだくさんです。実はこれに加えて、自分自身が小学校で担任をしていた時に、子供たちの姿から教えてもらった大事な指導のポイントも、数多く書き込んでいます。
学習指導要領と日常の授業を結び付ける窓口となるのが言語活動例です。この例示をいかに目の前の子供たちの姿に応じて具体化するかが問われてきます。子供たちにとってチャレンジする価値や楽しさを実感できる、質の高い言語活動を位置付けた単元構想が、いよいよ重要になってきます。
社会生活ではいくらでも長く書けるわけではなく、相手や目的、条件を踏まえて書くことが求められる…このことを自分自身が実感しながら書きました(笑)。日常の授業づくりに生かしていただくために、短時間でも分かりやすく、読み物としても読めるような解説を心掛けています。なお、学習指導要領の趣旨についてより深くご理解いただく際には、『平成29年版 小学校新学習指導要領の展開 国語編』が参考になります。
日常の授業づくりや授業研究会などの研修の際に、是非本書を生かしていただきたいと願っています。これから国語科の指導を頑張ろうと思っておられる先生方や若手の先生にとっては、授業づくりのヒントとなるよう、指導のエキスを選んで書き表しています。また指導主事や研究主任などの立場の先生方には、指導助言の際の手掛かりとしていただければ幸いです。