「自己評価」と「励まし評価」を大切に道徳授業を行おう
2018/6/8 掲載
- 著者インタビュー
- 道徳
今回は諸富祥彦先生に、新刊『小学校道徳 評価を位置付けた授業プラン&通知表文例集』について伺いました。
―本書は、道徳授業の「評価」にこだわった書籍になっています。教科化となり、評価が話題になっていますが、道徳の評価について、まずはどのように考えていけばよいでしょうか。
道徳の教科化にともなって、評価が必要になりました。
「正直、わずらわしい」と思っておられる先生も少なくないと思います。
しかし、道徳の評価は正しく行えば、子どもの意欲を高める有効な方法になりえます。
評価によって、子どもの意欲を高める授業の創造につなげていきましょう。
―先生は、1章の中で、「子どもの自己評価」と「教師による励まし評価」が必要だと述べられています。なぜこの2点が大事なのか、教えていただけますか。
道徳の評価のベースは、子どもの自己評価です。
自己評価にかかわりなく、教師の励まし評価を行っても効果は低いでしょう。
子どもが「ここは自分でもがんばったと思う」という点を、教師が認めて励ますことで、より成長したいという子どもの意欲は高まっていきます。
「子どもの自己評価」と「教師による励まし評価」の両輪がうまくかみ合うような道徳の評価が望まれます。
―子どもの自己評価は、どのようなものから見取ればよいのでしょうか。
ワークシート、道徳ノート、授業中の子どもの発言、そして板書の写真などが、子どもの自己評価がもっともストレートに示されるところです。
―教師による励まし評価をする際に、大切なことは何でしょうか?
子どもの自己評価をよく見ていくことです。
子どもの自己評価に即さない励まし評価をしても、子どもにはピンときません。
「先生は、よく見てくれている。わかってくれている!」と思ってもらえるような励まし評価が求められます。
―最後に、本書を読んで、「さらに道徳授業の充実をはかっていこう!」と考えられている読者の先生方に、メッセージをお願いします。
「評価」を授業のなかにうまく組み込んでいきましょう。
「評価」は、授業と別物ではありません。
特に、「子どもの自己評価」の場面をふんだんに盛り込んだ授業を行うことで、子どもの意欲を高めるような授業づくりの工夫につながっていきます。
「よい評価」と「よい授業」は、一体ですよ!
(構成:茅野)
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