- 著者インタビュー
小学校3年生から英語を指導するには、これまで5年生から行ってきた外国語活動とは異なり、さまざまな点でイメージを払拭する必要があります。例えば、子どもの発達段階を念頭に置きながら、内容面では、3年生の知的レベルに合った簡単なものを取扱います。しかし、音声やリズムについては、5年生の時と大差ない扱いとすることが大切です。それは、3年生だからといって日本語のような発音をしたり、ゆっくりとしたリズムで発音したりするのでは、後々効果が期待できないからです。
以上の点を踏まえて、本書では、コミュニケーション活動(言語活動)は楽しく興味関心を持って取り組む一方、表現や語彙、音声では、5年生の”Hi, friends!”レベルと同等の指導を行うように練られています。これは、他社の類似本とは比べものになりません。
評価の3つの観点を踏まえ、授業でのねらいと評価のポイントを明確にし、授業内では、どの活動時にどのように評価をしていくのかも明示しています。また、巻末には、「指導要録記入例」と「通知表文例集」及び「振り返りカード」や「評価補助簿」を完備し、さまざまな場面での先生方の評価の支援となるよう工夫されており、他社の類似本とは比べものになりません。
まずは、先生方が中学校や高等学校で受けてきた英語の授業のような、先生が一方的に英語を教えるスタイルから離れ、体育や図画工作の授業のように、まずは子どもたちに英語を使わせ、英語に慣れ親しませていくことが大切です。つまり、外国語活動は実技科目と言っても過言ではないのです。そして、先生方も子どもと一緒に楽しく笑顔で英語を使う体験を積んでいくことです。その積み重ねが、子どもたちのコミュニケーション能力の素地を育てるのです。
「英語を学ぼうとするモデル」として子どもたちの前に立ち、先生方のひたむきさ、そして、笑顔で英語を話そうとする姿を子どもたちにたくさん見せることで、子どもたちは英語に恐れることなく、積極的にコミュニケーションを図ろうとしたり、人の話を一生懸命に聞こうとしたりするものです。恐れることはありません。子どもたちと一緒に楽しみましょう。
一生懸命外国語活動に取り組んでいる先生方、そのことは、将来を見据えると大変価値のあることです。今こそ指導力を磨くときなのです。特に、この移行期間にさまざまな挑戦をしてください。もう、英語が苦手だからといって、戸惑う時間も場所もありません。勇気と希望と笑いを持って、子どもたちの未来のために、英語の授業に取り組みましょう!