- 著者インタビュー
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自主学習に取り組んで30数年。1年生から6年生の担任・特別支援学級担任・専科などをしてきましたが、どの時代の子どもたちも、自分が進んで学ぶことができる自主学習に、目を輝かせて取り組んでいました。その素敵な姿をずっと見続けたいから、続けています。
取り組み始めたきっかけは、今は亡き有田和正先生の〈追究の鬼〉を何らかの場で、挑戦してみたいと思ったことです。
3つの原則の1つ「全員の原則」は、全ての子どもが自主学習に臨むことです。これを全(員)力と呼んでいます。自主学習は、互いに切磋琢磨・対話しながら高めるものだと思っています。「リフレインの原則」は、とことん追究することを楽しむこと、「プラス1の原則」は、人とは違ったオンリーワンを常に目指すことです。自分らしさをここで出します。これら3つの原則を子どもたちに浸透させるための仕掛けを、本書には数多く紹介しています。
本書に、全員が取り組めるようになる仕掛けを紹介していますが、スタートするにあたって、自分自身がいつも気を付けていることは、子どもたちが「自主学習って楽しい。面白い。もっとやってみたい」と思う場を、畳み掛けるように仕掛けることです。全員経験の場で、周りの子どもたちがどんどん変わっていく姿を見せるようにしています。周りから刺激を受けることで、確実に全員が自主学習に挑み始めます。
本書にも書いているのですが、テーマ別自学ノートを毎日30冊やって来る子がおり、専用の手提げ袋に入れて持ってきていました。ある日、その手提げ袋が重みに耐えかねて破れてしまったのです。衝撃でした。また、その年は、多くの子がテーマ別自学に挑戦しました。本書に写真を紹介していますが、2学期には自学ノートを積み上げると、2mの山になっていました。追究の鬼になると、こんなに自学に楽しんで取り組むのかと思いました。
本書に書いているように、教師が1年間の〈見通し〉を持って取り組むと、自学が自楽に大きく変わっていきます。学ぶことが楽しくて仕方ないという子どもたちに必ずなります。1年間かけて、じわじわと〈自額から自学、自学から自楽〉へと変えていってほしいなと思います。教師自身が1年間の〈見通し〉をもって、焦らず楽しく取り組むこと、それが〈教師自学〉でもあると思っています。本書に取り組んで感想もいただけると幸せです。