- 著者インタビュー
- 道徳
「1・2」では多様な指導法を含めつつ、22の内容項目にあまり偏りがないようにご紹介させていただきました。第3弾では、新学習指導要領で例示されている問題解決的な学習や自我関与の発問なども意識しつつ、学校現場で先生方が特に必要性を感じている内容項目を中心に、力のある教材を紹介しています。歌を聴くだけでも勇気と感動を得られます。教科書では掲載が難しくても書籍なら提案できる内容です。
映画やドラマではオープニングやエンディングで曲が流れます。その曲がまた映画やドラマの中身や主張をより一層深め、心の奥底の感情に訴えかけます。教材の感動をより一層高める効果、また別の機会にその音楽を聴くことによって授業が思い出されるという効果において、教材と音楽のコラボレーションを紹介させていただきました。さらにはそれがコンピテンシー(資質・能力)育成につながると考えています。
乃木坂46は「文部科学省のいじめなどの24時間子供 SOSダイヤル」において、SEKAI NO OWARIは「動物殺処分0運動」とコラボレーションしています。アンテナを高くして世の中を見つめることが大切です。力をもつ歌にはメジャー、インディーズは関係ありません。よしださんとは偶然の出会いでしたが、「子どもたちの幸せの為に」という気持ちが多くの縁をつくっていくのだと思っています。
「教科書」は基本的に「読み物教材」です。その点、多様な提示法、指導法という点で限界があります。「主たる教材」はあくまで「教科書」ですが、多様な魅力ある教材という観点、あるいは最新という観点から教材を随時取り入れることが子どもたちの道徳性を発達させるには効果的だと考えます。ただし、「友情」の内容項目における「異性理解」や、「節度節制」の内容項目における「安全」など、落ちる内容がないか年間を見通して計画的に取り入れることが大切です。
道徳の授業に苦痛を感じている生徒と先生方、大いに道徳の授業を楽しみましょう。道徳が教科化になった背景には「学年を追うごとに道徳嫌いが増える」という現状がありました。「道徳の時間が楽しみ、勇気をもらえた、生き方を考えることができた」そんな時間にしてほしいと思います。ともに頑張りましょう。