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第1章では、学習指導要領を読むためのコツを示しています。第2章では、「新学習指導要領から授業をつくる」ための具体的な手順を整理しました。第3章から第5章では、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の授業づくりを、「単元構想表」という書式に基づいて提案しています。第6章では、「語彙・読書・言語文化」等の授業アイデアを示しました。
「単元構想表」は、単元の授業構想を1枚の紙の上で行うために考えたものです。指導事項と言語活動を関連付けて単元の全体像を描くとともに、〔知識及び技能〕と〔思考力、判断力、表現力等〕との関連、指導の重点化についても意識できるようになります。今後、学習評価の方向性が明らかになれば、その要素も加えられます。
新学習指導要領は資質・能力を重視しています。国語科の場合、それは指導事項を中心に示されています。「単元構想表」を使った授業づくりは、何より、育成する資質・能力は何かということを深く理解することができます。同時に、言語活動を通した主体的・対話的で深い学びについても、単元全体で構想することができます。
移行期間中は、学習指導要領改訂を踏まえた実践のリニューアルや、実験的で提案性のある授業がどんどん行われてほしいと思います。学習方法や学習形態の工夫も重要ですが、前述したように、生徒に資質・能力がしっかり付くことが必要です。そのためにも、「新学習指導要領から授業をつくる」ことを提案します。
予測困難な時代を、多様な人と力を合わせて乗り越えていくためにはいろいろな言葉の力が必要です。子供たちが、そのような言葉の力を主体的に獲得できるような授業づくりを進めていきましょう。教師の授業づくりの“熱”が、子供の学習の“熱”を生み出すのだと思います。