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大学生のころ、近くの公民館にアントニオ猪木さんが講演に来たことがあり、私は大学の放送部の部員でないにもかかわらず、放送部代表として、猪木さんに単独インタビューをしたことがあります。その時、猪木さんに「どうやって時間をつくっているのですか?」という同じような質問をしたのですが、猪木さんは、「前のことを引きずらないというか……、パッと切り替えるというか……ンムフフフ。」というような答えをしてくれたような気がします。
もちろん、それも大切なのですが、猪木さんとのエピソードを話したのは、単に自慢したかったということで、スルーしてください。私の場合は、「無理をしない」というか……「自分に合ったスタイルを見つける」というか……ンムフフフ。
自分は朝が弱いのですが、ビジネス書などを読んでみると「朝型生活のすすめ」的な内容がやたらと出てきます。実際に、若いころ私が憧れていた「デキる教師」のみなさんは朝型の生活をしている人ばかりでした。そこで、私も無理して頑張ってみたんですね。でも、できませんでした。無理をすることで、よくなるどころかむしろ仕事の質が下がってしまったんです。猪木さんが馬場さんのプロレスができないように、人には向き不向きというものがあります。今回は、自分のような計画を立てることは好きだけど、計画通りに実行することが苦手というような先生でも無理なくデキる仕事術を書かせていただきました。
自分のようなタイプの先生は、めんどうくさいことを先送りにする傾向があります。もちろん、計画的に一歩一歩進めていくことが大切だということはわかっています。でも、ついつい先送りしてしまうんですよね。もはや習性に近いものですからしかたありません。だから、「どうせ先送りするのなら、意識して先送りしましょう」ということを書いたページがあります。具体的には、「その仕事の締切日から逆算して、仕事を始める締切日を設定しましょう。」というものです。こうすることによって、堂々と仕事を先送りすることができるのです。
確かに、標準授業時数も増え、やるべきことは確実に増えていますよね。だからこそ、スクラップ&ビルドが必要になってきます。子どもたちを伸ばすためには、何が必要で何が不必要なのかを今まで以上に意識することが大切になってきます。
例えば、プリントの丸つけの時間です。休み時間もひたすらプリントの丸つけや日記のコメントを書いている先生がいます。丸つけの時間をスクラップすることができれば、休み時間に子どもたちと遊ぶ時間をビルドすることもできますよね。そのための時短テクやスキルなども書かせてもらっています。これらのことは、きちんと段取りができる先生方にも参考になるはずです。
本当に押しつぶされる限界ぎりぎりの人は、とにかく周りの先生方に相談してもらいたいのですが、このインタビュー記事を見ることができる程度の余裕があるという人は、ぜひ本書をお読みください。というのも、意図的に経験を積み重ね、力量をアップしていくことで、教師という職業は、年々楽しくなっていくからです。学べば学ぶほど、目の前の壁も笑顔で超えられるようになっていきます。やまない雨はありません。共に学び、共に頑張っていきましょう!