- 著者インタビュー
- 図工・美術
今回の書籍では、図工を指導する上で役立つ情報をコツという形でまとめています。その際に、子どもの活動の様子や発達段階による違いなどを詳しく取り上げることで、より具体的で実践的な内容になるよう心掛けました。また、ほとんどのページで、見開きで内容が完結するようにしていますので、気になる部分から読んでいただくことができます。まとまった時間のとれないお忙しい先生方にも気軽に読んでいただけるのではないでしょうか。
反響というのではないですが、前著の出版によって素晴らしい先生方との新しい出会いがあったということが、自分にとって大きな出来事でした。そうした先生方との交流の中で多くのことを学ばせていただきましたし、本書の執筆に当たって参考にさせていただきました。こうした出会いがなければ、本書の内容はまた違ったものになっていたかもしれません。
本書には先生方の日々の指導に役立てていただけるコツを詰め込んでいます。しかし、コツありきで授業を進めては本末転倒です。これらが本当に役立つためには、子ども達の発想や活動にマッチすることが不可欠です。そのためには、子どもの見とりが何より大切になります。子どもの思いに寄り添いながら本書のコツを活用していただくというのが、とっておきのコツになるのではないでしょうか。
用具を安全に使ったり、創造的に使ったりするためには、基本をしっかり身につけることが大切です。巻末資料は用具を扱う上で必ず押さえておきたいことを厳選してまとめてありますから、子どもに配布してプリントに従って説明することで必要な事柄を端的に指導いただけると思います。また、拡大して掲示することで、子ども自身が基本を確認しながら用具を使うのに役立つと思います。
図工を「子ども達に上手な絵を描かせたり美しい作品を作らせたりする教科」だと考えてしまうと「描かせる」「作らせる」ことになって、子どもは言うに及ばす先生も楽しくありません。一方、「図工を子どもの思いを大切にしていく教科」だと考えていると、子どもの発想や活動を先生も一緒に楽しめるのではないでしょうか。子どもの思いに寄り添いながら資質・能力を高めていくのは難しいことかもしれませんが、それができるのが図工です。ぜひ、自分ができそうなことからチャレンジしてみてください。
「図工人」図工人(URL:http://zukoujin.com/)