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本シリーズは新学習指導要領に対応し、すべての単元において「単元を貫く学習課題」を設定し、その課題に沿った計画を提案しました。単元を貫く学習課題については、生徒の答えを基にした解答例を掲載してあるので、すぐに活用できます。また、授業のワークシートと詳細な学習展開を、公民編では36時間ほど掲載しています。
課題設定の視点は4つあります。1点目は、学習指導要領に基づいて、各単元で習得すべき知識や育むべき力を身につけることができるような課題にすることです。2点目は、社会的な見方・考え方を働かせることで考えが深まるような内容にすることです。3点目は、生徒が数時間に及ぶ単元の学習の間、思わず考えたくなるような表現にすることです。4点目は、生徒も教師も意識し続けることができるように、端的で短い言葉にすることです。これらの4点を押さえた課題を追究し続けると、生徒は課題設定のコツを次第に理解し、最終的には個別に課題を設定できるように成長します。
ワークシートを順番に解くと、1時間の学習の目標を達成できるように作成しました。解答例があるので、そのままコピーしてすぐに授業に活用できます。ただし、先生方にはそれぞれ授業のスタイルがあると思います。例えば問いの部分を板書して生徒に考えさせたり、ワークシートの一部を改変したりするなど、スタイルに応じて多様に活用してください。
「社会は暗記」という印象を払拭することが大切だと考えます。そのためには、一問一答のような狭い問いが中心となる学習から脱却する必要があります。単元を貫く学習課題に決まった正解はなく、生徒が納得できるような最適解を導き出すことになります。教師の想定を超えるような考えが次々と出され、暗記の社会科から考える社会科へと学びが変わります。
知的興奮と発見のある学習をすると、生徒も教師もわくわくします。そのきっかけになるのが、単元を貫く学習課題です。本書が、社会科好きの生徒と先生を増やす一助となれば幸いです。