かたちと音のどちらかで得意をいかしてアルファベットを学ぼう!
2020/10/30 掲載
- 著者インタビュー
今回は小野村哲先生に、新刊『小学校英語サポートBOOKS イラストと音で覚える読み書きが苦手な子のためのアルファベットワーク』について伺いました。
―本書ではアルファベットの読み書きが苦手な子どもたち向けに大文字・小文字の読み書きのワークを中心に紹介しています。まず、本書のコンセプトを教えてください。
シンプルだからこそ難しいアルファベット。算数では満点を取るような子がここでつまずくこともありますが、その困難はサポート次第で大幅に軽減できます。30年近くに及ぶ研究と実践の成果をもとに、具体的な支援の手立てとしてまとめ、提案することが本書の目的です。
―本書の大文字・小文字の読み書き練習ワークには、文字だけでなく、かわいいイラストも併記されています。こちらにはどのようなねらいがあるのでしょうか?
字形が似た文字を混同する子に、ただ「よく見なさい」といっても効果は期待できません。例えばhは馬のイラストに「首を長くね」と、rは「ウサギがピョンピョン、(nのように書いて)地面に頭をぶつけないでね」と具体的なアドバイスを添えられるようにしています。
―本書にはタイピング練習用のワークも収録されています。アルファベットの練習とともにタイピングの練習をすることで、どのような効果が期待できますか?
鉛筆で書くことに困難を示す子に、例えば「bはこう、dはこっち」と同じ練習をさせれば、意欲も失せてしまいます。今後、タイピングスキルがより重要になることは確かです。アルファベットに親しむことを最初の目的とするなら、タイピングはとても有効な練習法です。
―このワークは学校の授業だけでなく、個別学習や家庭での宿題などでも活用できるものだと思いますが、いかがでしょうか?
本書では、目からの情報と耳からの情報など、その子の認知特性に応じた手立てもご提案しています。それらは、つまずく前に生かしていただけることが理想です。学校での授業や個別支援の場はもちろんのこと、ご家庭でも活用いただければと思います。
―最後に全国で英語を教える先生方に一言メッセージをお願いします。
本書が、今、困っている子の手助けとなり、これからつまずくかもしれない子の転ばぬ先の杖となることができたなら、幸いです。みなさんのお力を借りて、より良いものにできればとも思います。「ここはこうしたら」といったご意見やご感想もぜひお聞かせください。
著者写真撮影:小山貢弘
(構成:木山)
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