- 著者インタビュー
- 音楽
「常時活動」は文字だけ見ると「毎回やる活動」と思われがちな言葉でもあります。しかし、常時活動の取り入れ方次第で音楽の学びが大きく変わってきます。本書では、日本/アメリカでの実践、研究者/実践者の視点という多様な切り口から「常時活動」を捉え直し、新たなご提案をさせていただきました。
ここでご紹介するのは、心を解放する「常時活動」からグランドワークを広げ本活動の「探求」へつなげる、21世紀型の学びを視野に入れた楽しい授業アイデアです。先生方に「これやってみようかな〜」と1つでも2つでも実践に移していただき、目の前の子どもたちの姿を見ながら、さらに楽しい授業づくりのアイデアを膨らませていっていただけたら嬉しいです!
子どもと直に接し、日々を過ごしていらっしゃる現場の先生は子どもの純粋さのパワーやその場にいなければわからない様々な生きた現象を内側から見ていらっしゃると思うんです。私はそれを研究でも実践でも大切にしたいと思っています。今回、実践者、岩井先生とご一緒に書かせていただく中で、子どもにとって最適な教育を考えるとき、この実践者と研究者の共有・協働の視点は何より大切だと改めて感じました。
これから生きる世界は、より変わりやすく不確実、複雑で曖昧(Volatile、Uncertain、Complex and Ambiguous:VUCA)になると言われています。そういう世界であっても、子どもたちには自ら切り開く力をもって、幸せに生きていってほしいですね。
そのためには、世界の動向を踏まえ、未来へのビジョンをもった音楽教育のあり方を考えておくことが大切だと思います。教育心理学や学習理論に基づく考え方も大切で、先生方が新たな実践に向かうときや学習プロセスでの支援や手立てを考えるときのバックボーンになります。こうした理論や研究成果を基に実践されることで、先生方により効果的な授業や手ごたえを実感していただけることと思います。
まずは、できそうなことから「やってみる!」そこで、ICTで学ぶ子どもの姿から次なる実践へつながる新たなヒントがきっと見つかっていきます。大切なことは、「タブレットをツール(道具)として、子どもの音楽の学びの中にどう効果的に活用していくか?」ということを常に頭の隅におきながら実践していくことだと思います。そして、どんな小さな取組であっても授業での活用事例をためていくことをお勧めします。
今、常時活動を実践されている方、もしくはこれから新たに常時活動を取り入れる方、本書でご紹介する「常時活動」を生かすための秘訣をヒントに、「常時活動」を入り口として広がる新授業アイデアを実践してみてください!
子どもたちと一緒に楽しむことで、「子どもってすごい!」を改めて実感するでしょう。そして、それがきっと、もっと新たな気づきや発見につながっていくでしょう!!