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ちょこっとシリーズを書く時は、読者の先生方が「明日使える」ことを願って書いています。そのために、「より手軽」であり、「私にもできそう」と思っていただけるように、より具体的に示そうと考えています。また、実践としては「ちょこっと」かもしれませんが、願いは「たっぷり」詰め込んでいるつもりです。スキルにしてもフレーズにしても、それ自体は氷山の一角です。水面下には大きな願いを込めた上で「ちょこっと」としています。
大きく2つの効果があると考えています。まず1つ目は、単純に教室がポジティブな空気に包まれると考えています。明るくなるフレーズ、前向きになれるフレーズ、そして勇気がもてるフレーズが60個もあるからです。子どもたちの心に火をつけることが教室の空気をより温かくすると考えます。2つ目は、教師の意識が変わるということです。「ありがとう」と言えば、子どもたちの行為をプラスに価値付けることになり、子どもたちの見方が変わります。言葉を発することで、教育観を磨くことができると考えています。
「助かる〜」です。子どもたちと過ごしていると、助けてもらうことが多いからです。授業の発言にしても、教師の予想を上回る意見を出してくれることがあり、何度も授業に活気を与えてくれます。掃除も給食も、子どもたちの力無しでは成り立ちません。私自身は忘れっぽいこともあるので、忘れてしまいそうなことはあらかじめ子どもたちにお願いして言ってもらうようにしています。また、「助かる」を口癖にしておくことで、子どもたちへの感謝と敬意を常に持ち続けることができます。
今回、ちょこっとシリーズの第4作として「ちょこっとフレーズ」というテーマで書かせていただきました。実は、この「フレーズ」については、「どんなフレーズを使うか」と同時に「どのように話すか」が問われると考えています。例えば、「ありがとう」を伝える時、「ただ言えばよい」わけではないはずです。例えば「笑顔で」「相手を見て」「うれしそうに」など、非言語の要素なども大きく影響してくるはずです。だから、「フレーズ」に合わせて「話し方ばっちりスキル」を出すことで、読者の方々の「再現性」をより高めてほしいと考え、今回のように2冊同時出版に至りました。
今回も「ちょこっとシリーズ」を手に取っていただきありがとうございます。今回の「フレーズ」は、教室での再現性がかなり高い内容になっています。それだけ身近なフレーズであり、手軽だからです。このフレーズを使うことで、きっと子どもたちへ想いが通じていくと考えています。
しかし、あくまで「ちょこっと」であることを忘れないでください。実はちょこっとシリーズには、同じ言葉を毎回表紙に載せています。それが「ちっちゃいけれど効果じわじわ」という言葉です。明日使えたとしても、効果はじわじわとしか表れません。ぜひ、フレーズをご自身の言葉として育てていただき、子どもたちへ想いを伝えていただきたいと思います。本当にありがとうございました。