- 著者インタビュー
- 国語
本書のおすすめポイントは、なんといっても単元全体の学習について、細かに記述されていることです。「単元全体」ということは、ICTを使っているところも、使っていないところも書かれています。私たちは、ICTを使っている場面だけでなく、どのような意図でどのようにICTを活用したか、逆になぜ使わなかったのか、多様な選択肢があることを伝えたいと思ったのです。ぜひ授業者側の意図に着目して、本書を読んでください。
ほぼ毎時間使っています。部分的に使うこともあれば、全体的に使うこともあります。タブレット端末を使うときは、「学習内容をわかりやすくしたい」と考えるときや、「考えを深めさせたい」というように、各教科領域で何をできるようにさせたいかやどのように学ばせたいかを考えて、使うようにしています。
筆者の主張を捉える際、文章構成の序論や結論を比較しながら読むことが大切です。タブレット端末を使えば、デジタル教科書を利用して、序論と結論の文章を並べて比較することができたり、重要な文にマーカーを入れて、すぐに友達と共有することができます。また、要旨をまとめるときにも、書いたり消したり、文字数をカウントしたりすることも容易にできます。
低学年の説明文学習では、「比較しながら読むこと」や「順序に気をつけて読むこと」の力を身につけなくてはいけません。このような力を育てるために、タブレット端末は大変有効です。段落ごとのまとまりに分けたカードをバラバラにして並び替えたり、同じ観点で書かれている段落を集めて仲間分けしたりするなど、一度読んだ文章をパズルのように遊びながら読み深めることができます。
国語の授業は、1時間で完結する学びではなく、単元を通して、あるいは年間を通じて積み重ねていくことが重要です。だからこそ、タブレット端末を活用した国語授業も、1時間単位でつくり上げるものではなく、子どもたちが主体的にタブレット端末を活用できるように、意図的に使い方を指導していくことが大切でしょう。本書に記したICT活用によって、国語の授業がより創造的で楽しいものになることを願っています。