- きょういくじん会議
26日、福田新内閣が組閣され、ようやく国会が動き始めました。
現在、衆議院では自民・公明の与党が、参議院では民主ほかの野党が過半数を占めているため、今回の新総理の指名に際して両院の議決が異なりました。すなわち、衆議院が福田さんを指名し、参議院が小沢さんを指名したわけです。
このように指名が異なる場合、両院の意見を一致させることを目指して「両院協議会」を開くことが憲法で定められています。26日の読売新聞によると、首相指名をめぐる両院協議会の開催は、9年ぶりだそうです。
ここでひとつ疑問があります。
両院協議会は、各院の代表者が10人ずつ選ばれて話し合うのですが、そこにお互いが歩み寄る余地はあるのか?ということです。もちろん法律上は、代表者20人が話し合い、新たな決定を下す権限を持っています。しかし、それぞれの院で決定した内容を、代表者の一存で軽々しく変更してしまうことがあるのでしょうか。また、院の決定を変更するような人間が、そもそも代表者として選ばれるでしょうか。
そう考えると、両院協議会の役割は、お互いに話し合いましたよ、ということを国民に伝えるためのパフォーマンス的なもの以外にないのではないか…と思っていたのですが。
じつは、両院協議会が重要な役割を果たしたことが、近年、ありました。1994年に細川連立内閣が「小選挙区比例代表並立制選挙」の導入を検討したときです。
首相指名や予算の議決などでは、最終的には衆議院の議決が国会の議決となるため、衆議院が参議院に譲歩する必要はありません。しかし法律案の議決の場合は、参議院で否決されたときには衆議院で3分の2以上の賛成を得て再可決しなければならないため、衆議院が譲歩する余地が生まれるのです。
このときは、両院協議会において、小選挙区の議席数を増やし比例代表の議席数を減らすことで歩み寄りが実現し、法案が成立しました。これは、参議院が政党主導になったといわれる1960年代以降において、両院協議会で修正案が成立した唯一の例だといわれています。
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