きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
凸凸レゴのロボット五輪―日本、初の金メダル凸凸
kyoikujin oec
2007/11/30 掲載

(c) 2006 The LEGO Group. 21日の神奈川新聞の記事によると、台湾で17・18日に開催された世界ロボット五輪で、神奈川県立磯子工業高校がさまざまな逆境に打ち克って日本初金メダルを獲得したということです。

世界ロボット五輪とは

 世界ロボット五輪(WRO)は、規定のロボットキットを使って作ったロボットで課題を競技することで行われます。たとえば、高校生の部の課題は、つづら折の坂道を上って山頂のアルミ缶を取ってくる「ALISHAN TIMBER LOADER」や、荷物を指定の位置に仕分けする「ROBOT SOATING」というもの。しかもこれらの課題、自律型のロボット―つまり、リモコンなどで人が操作するのではなく、センサーとプログラムだけで自動的に処理できるようにしなければいけません。(テレビ番組で有名な「ロボコン」とちがう点ですね。)
 今までの3大会で日本は金メダルを獲得できておらず、今回の優勝は快挙と言ってよいでしょう。以前当サイトでも国際数学五輪や物理五輪の話題を取り上げましたが、これからも若い才能が世界で実績を残すことを期待してやみません。

知育玩具として注目されるレゴ

 世界ロボット五輪の規定のロボットキットは、レゴ社とマサチューセッツ工科大学が共同開発した「レゴ マインドストーム」です。
 もともと、レゴは幼児教育のツールとして注目されてきました。教育におけるレゴのメリットはさまざまです。

  • ブロックの組み立て方が無限に近くあり、子どもたちの創造性を育む点。
  • ポッチの数を考えて組み立てることで、数学的な図形の考え方が身につく点。
  • そして、手を使ってものを組み立てることの原始的な楽しさ。

 1998年に発売されたレゴ マインドストームは、それをさらに高度にしたものと言えるでしょう。モーター・センサー・ワイヤレス通信ができるブロックが入っており、パソコンでプログラミングをすれば、より複雑な動きが可能になります。より科学的な思考力が要求されるため、活用事例集(レゴジャパンホームページ)にあるように、小学校から大学まで、幅広い教育機関で採用されており、いわゆる「理科離れ」への対策として有効視されています。

技術大国ニッポン、ロボットの今・これから

 「ロボット」という言葉には、子どもたちのロマンが詰まっています。かつては空想の存在だったロボットは、今や現実のものです。たとえば28日の朝日新聞の記事で紹介されている高齢者補助のロボットは7年後の発売を視野に入れているようですし、5日の産経新聞の記事では、防衛省がガンダムを開発している?というウワサも…。

 子どもたちが、今回のロボット五輪の金メダルに刺激を受けて、今後の日本の科学技術の裾野がもっともっと広がっていくとよいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。