- きょういくじん会議
先月、中央教育審議会の「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」において、中学1、2年で武道を男女問わず必修とすると発表されました。文科省ホームページ内新しい学習指導要領「審議のまとめ」Q&Aでは、武道必修化について「武道の学習を通じて、我が国固有の伝統と文化に、より一層触れることができるようにします」とあります。そこで今回、武道の歴史について調べてみました。
辞書では、武道とは武芸に関する道のことで、馬術や剣術を指すとあります。武士道という意味もあるそうです。現行の学習指導要領では武道には柔道、剣道、相撲が例示されており、選択となっています。主に男子に柔道や剣道が教えられているようです。それを男女問わず必修とするというのが今回のまとめの内容です。11月24日の読売新聞記事によると、政府は中学、高校の体育の先生に、武道の研修を行うことを検討しているそうです。
さて、例として挙げられている柔道、剣道、相撲ですが、それぞれ現在の形になったのは江戸後期〜大正のようです。
柔道は古くは12世紀以降の武家社会の中で柔術として生まれました。それを基礎に、明治15年、嘉納治五郎が柔道を創始しました。剣道の始まりは日本刀の誕生した平安時代になります。以降剣術として成長してきましたが、江戸時代の平和な時代が続いたことで人間形成を目指すものとして変化し、それに大正8年、剣道と名づけられます。江戸時代後期からその原型ができ、現在使われている技名もこのときのものが多くあります。相撲の始まりは古事記、日本書紀にあるとされています。天から降りてきた建御雷(タケミカヅチ)と国の神である建御名方(タケミナカタ)の戦いがそれだとされていますが、これはただの力比べというだけで、現在の相撲の形とは違っています。現在の大相撲の形になったのは、これも江戸時代です。神社やお寺の建設などのために、お金を取って相撲を見せる「勧進相撲」が基になっています。
古来からの伝統文化がいきづいている武道を通じて、そのルーツである武術の存在や歴史なども知り、子どもたちが日本の伝統と文化により深く触れられることを期待したいものです。
- 柔道サイトeJudo
http://www.ejudo.info/ - 全日本剣道連盟
http://www.kendo.or.jp/index.html - 相撲の歴史-キッズ・ウェブ・ジャパン
http://web-japan.org/kidsweb/ja/virtual/sumo/history-j.html