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ターシャ・テューダー的な子育てはいかが?
kyoikujin
2008/4/2 掲載
Corgiville Christmas

 ターシャ・テューダーという女性をご存知だろうか。1915年生まれの彼女は現在92歳。アメリカで最も有名な絵本作家の1人であり、またガーデニングでも有名、というと「あ、あの人!」と分かる方も多いだろう。

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 先月末まで、銀座の松屋デパートで開催されていた「ターシャ・テューダー展」に行ってきた。数年前、NHKのテレビで取り上げられて以来、彼女の絵本作品だけではなく、そのライフスタイルにも注目が集まっている。
 ターシャは現在、バーモンド州に息子が手作りで立てた家「コーギーコテージ」で、愛犬たちとともに自給自足の一人暮らしを営んでいる。そんな自然に囲まれた、一つの世界ともいえるような環境の中での生活を始めたのは、彼女が50歳を過ぎてからのこと。子育ても終わって、「第二の人生は、大好きな草花と絵本のためだけに過ごそう」と決めたそうだ。
 何でも手作りで、自然と一体となったスローライフな生活が大きな反響を呼び、彼女の生き方を紹介するような書籍も多く出されている。

 そんな彼女も、かつては女手一つで4人の子どもを育てあげたのだが、今回の展示会で印象に残った、その子育てスタイルを少し紹介しよう。

 「雀のポスト」――家の中に子どもたちそれぞれの小さなポストがあり、ターシャが時々その中に子どもたちへの手紙を入れていたというもの。子どもたちは、学校から帰ると真っ先にそのポストを見にいっていた、と言う。その実物の手紙も展示されていたが、5センチにもみたないような、ほんとに小さな小さなカードに、かわいらしい絵とメッセージが書き込まれている。こんな手紙をもらったら、さぞ子どもたちは喜ぶだろうな、とうらやましくなるくらいだ。目の前にいる相手でも、手紙は口で言うのとはまた別の気持ちを伝えることができるのだろう。
 動物たちのぬいぐるみ――子どもたちのために、悪くなったガウンの布などで作ったというお手製のぬいぐるみ。山羊や犬やふくろうやうさぎなど、本物そっくりでありながら丈夫でやわらかくできているのは、「彼らは子どもたちが寝る時の大切なパートナーだから」とのこと。

 他にも、クリスマスや誕生日など、色々なイベントにめいっぱい趣向をこらしたようだが、それは単に子どもたちを楽しませたいからだけではなく、「自分も一緒になって楽しんでいた」と展示会で上映されていた映像の中のターシャは話していた。

 「楽しみは創り出せるもの」とはターシャの言葉だが、そんな、自ら「楽しさ」を創り出すことが、子育てにおいても大切。楽しんでいる親の姿を見るのは、子どもにとっても、一番の楽しい瞬間なのかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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