きょういくじん会議
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スキマを埋める文学賞? 大学読書人大賞がスタート
kyouikujin
2008/4/30 掲載
塩の街

 若者の活字離れが懸念される中、大学文芸サークル員の投票によって選ばれる、『大学読書人大賞』が新設された。これは財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)が主催するもので、運営は早稲田、中央、日大、法政、一橋、立教の6大学の文芸サークルによって行われる。投票に参加するのは全国の文芸サークルのうち30団体、学生数は1,000人以上にのぼるという。

 24日の読売新聞の記事によると、賞の選考は昨年6月にスタートしており、来月4日の公開討論会(PDF)で第1回の大賞が決定されるとのこと。
 しかしこの賞、選考方法が少々複雑だ。

選考の過程

  1. サークルごとに「大学生に読んでほしい本」を、最大5作品まで選ぶ。
  2. 票の多かった上位5位をノミネート作品とし、各サークルがその5作品をすべて読み、1作品について推薦文を書く。
  3. サイトにアップされた各サークルからの推薦文のうち、もっとも良い推薦文を選ぶ。
  4. それぞれの作品の最優秀推薦文を執筆したサークルの代表者5名を都内に集め、公開討論を行う。
  5. 大賞を決定。

 ただ単に人気投票で決める賞ではなく、「本当に薦めたい本」を決めるため、他の文学賞に比べて、推薦文や討論会などユニークな選考方法がとられている。つまり、本の面白さだけでなく、その本を紹介するプレゼンテーションも重要とされるのである。
 文芸部に所属する本好きの大学生が決める「面白い1冊」。既存の文学賞とは一味違う、新しい本の世界を見せる賞として、初の開催となる公開討論会の結果を期待したい。

 なお、公開討論が開催される上野公園では、「上野の森 親子フェスタ」(5月3〜5日)が同時開催されている。
 GWの1日、親子連れで新しい本との出会いを楽しまれてはいかがだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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