きょういくじん会議
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子どもの理想の放課後―変わる学童クラブ
kyoikujin
2008/5/1 掲載
学童保育ハンドブック

 昨年10月に厚生労働省から放課後児童クラブの初のガイドラインが発表され、今年2月には「学童保育の実態と課題に関する調査研究」が国民生活センターから発表されるなど、ニュースになることも多く、このきょういくじん会議でも取り上げられることの多い学童クラブ(学童保育)。

 毎日新聞でも新生活スタートの先月13日、20日と2度に渡りその課題や問題点が取り上げられていましたが、以前の記事でも取り上げられたような安全面・衛生面や運営費用、人材確保など問題が山積している現状は変わらないようです。

 その中でも毎日新聞の13日の記事に挙げられている開所時間の壁は、働く保護者たちを悩ます一番のタネなのではないでしょうか。前述の「学童保育の実態と課題に関する調査研究」で発表されているように開所時間が夜18時までである学童クラブは7割。記事に出ているような20時まで預かってくれるクラブはごくわずかだと言えるでしょう。保育園は少子化対策の一環として、延長時間は長くなっていることから考えても、小学校1年生からの預け先にとまどう保護者が多いのは頷けます。

 一方で22日の産経新聞の記事で紹介されていたのは「キッズベースキャンプ」。子どもたちの放課後を単なる遊びだけではなく、記事で紹介されているアート活動やその他さまざまな活動を通して、子どもが生きていく上で土台となる力を養う時間として利用してもらうことを目的としている会社。こちらでは、カリキュラムの多彩さだけではなく、学校や各家庭への送迎サービスや無添加の食事提供、医療機関への連携など安全面に特に力を入れて、保護者の信頼を得ているようです。基本的には19時までの預かりですが、19時以降でも延長料金を払えば22時まで預かってくれることも大きな魅力のようで、会員数はこの一年半で1,000人を突破したとか。

 気になるお値段は週5日で通常月(長期休み期間を除く)は42,000円。延長料金や食事代は別です。預かってくれる場所というだけではなく、お稽古事を兼ね備えていると考えれば、無駄な投資とは思わない保護者の方が増えているのではないでしょうか。とはいえ、決して安くはないこの料金に、子どもの放課後の居場所にまで格差が生まれているのでは、と考えてしまうのは行き過ぎでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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